こんにちは〜。お酒ミライの神奈川建一です。

今回のレポートは、中級講座の2回目です。前回は日本酒の味わいを構成する成分を勉強しました。今回は、その成分を実際に飲んでみて味わってみます。ひょおおお、ワクワクするぞ!

中級コース第1回レポートはこちらをどうぞ



①まず日本酒の基本成分、アルコールを味わいます。20%に薄めたアルコール水溶液です。

舐めてみると「ちょっぴり甘く、ガッツリ苦くて、ピリピリした刺激がある」という味ですね。ここからわかることは「アルコールは甘・苦・刺の要素だけある」ということです。ここはとても大切です。覚えましょう。


②次に、このアルコール水溶液にブドウ糖(グルコース)を加えて味わってみます。

舐めてみると「旨味を感じ、後半の余韻に甘みを感じた」というものでした。あんまり甘くないのでちょっと意外ですね。ここからわかることは「ブドウ糖の甘みはたかが知れてる」ということです。日本酒の甘さは、他の成分が重要なのです。


③今度はグルタミン酸(味の素)を加えます。旨味成分のアミノ酸ですね。

舐めてみると「味わいに厚みが出て、ぐっと日本酒っぽくなった」という印象。やっぱりアミノ酸は味わいに大きく影響しますね!

水溶液に混ぜませんでしたが、甘みのアミノ酸・アラニンと、苦味のアミノ酸・アルギニンを粉末状のまま舐めてみます。


アラニン「洋菓子みたいな甘さ」これは明確に甘い!

アルギニン「鉄のようなジワーッとした味」なるほど、これがお酒の苦味かぁと納得する味です。食中で違和感ない苦さですね。


ここのポイントは「アミノ酸は日本酒の味を決める重要な要素」ということです。アラニン、アルギニン、グルタミン酸は甘味・苦味・旨味のアミノ酸主要成分ですが、どれも明確な味わいがありました。

特に甘みは重要です。日本酒の甘みは「アミノ酸+アルコール+グルコース」で決まります。グルコース(ブドウ糖)は意外なまでに影響力が低いのです。なので、いくらグルコースが高くてもアルコール度が低すぎると、ペラペラの味わいになるのですね。


④最後に水溶液に乳酸を加えてみます。日本酒における基本の酸味をつくる成分ですね。

舐めてみると「味わいの余韻がシャープになり、軽く飲みやすくなった」という印象です。これでかなり本物の日本酒に近づいてきましたね。

ここでのポイントは「乳酸には苦味を中和する効果がある」というところです。アルコールの苦味を相殺してくれるのですね。日本酒において酸味と苦味は仲良しですが、こういう関係もあるのですね〜。


いかがでしたでしょうか。実際に成分を追加しつつ味わうこの授業、めちゃくちゃ良かったです!やっぱり頭だけじゃ理解できませんからね。味覚って感覚に一番近いので、一度理解できると、忘れないのがいいですね。

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ここからは、今回ティスティングしたお酒の紹介となります。
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①AKABU 純米吟醸 愛山
精米歩合 50%
アルコール度 15%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
酵母 不明

②結 純米吟醸 亀口直汲み 生
精米歩合 50%
アルコール度 16~17%
日本酒度 -2
酸度 1.5
アミノ酸度 1.0
酵母 M310

③新政 No.6 R-Type 2016
精米歩合 40%&60%
アルコール度 15%
日本酒度 ±0
酸度 1.8
アミノ酸度 0.6
酵母 新政6号

④黒龍 純米大吟醸 あどそ
精米歩合 40%
アルコール度 15%
日本酒度 +1
酸度 1.1
アミノ酸度 不明
酵母 自社



以下、先生のコメントです。

①はほぼスペックが非公開のお酒。こういう場合は、飲み手が数値を決めていこう。丁寧な瓶火入れで生酒のような香りが残っているタイプ。フルーティな香りに混ざって飴のような甘い匂いがあるので、糖度が高いかなと想像できる。飲むと最初は甘いが、後半いきなり酸味がドバっと出てくる。これはエキスが薄い(加水している)お酒の特徴。アルコール度が15%なのに、カプロン酸エチルがたくさん出ているので、9号酵母ではなく1801酵母だろう。日本酒度+1、酸度1.2、アミノ酸度1.1と予測。

②は香りに凝縮感がある。これは無ろ過生原酒の印象。アルコールの匂いも強いので、アルコール度が高い=甘いと想像できる。味わいは滑らかな甘さだが後半伸びていかない。ここからアミノ酸度が低いことが分かる。また①と同様味の後半で反転して酸味苦味がぐっと出てくるので、これもアミノ酸度が低い証拠。

③は香りに乳酸・アセトアルデヒド・酢酸エチルが混ざって独特の生臭さがある。甘酸っぱい感じはいかにも新政らしい。アミノ酸度が異常に低いので、味わいの後半の収斂味が凄い。後半に苦味があるが、これはアルコールではなくコハク酸の苦味。6号酵母はコハク酸を出しやすい。とにかく酸味が強いお酒で、料理に合わせるのは難しい。乾杯のお酒に向いているだろう。

④は福井県限定の黒龍。注ぐと泡がついており、色もついているので瓶貯蔵していることが分かる。香りは酢酸イソアミル&酢酸エチル系。このお酒は酸度が低いのがポイント。酸度が低いと、アミノ酸度が高くなくてもOKだし、日本酒度+1でも十分甘く感じる。またアルコール度も低いが、酸度が低いと丸みのあるまろやかさが感じられる。酸度が低い点を十分に活かしたお酒。

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今回はこんな感じです。だんだんアミノ酸度を理解できてきたかな~と感じます。特に味わいの後半で差が出ますね。アミノ酸度が高いと甘味や旨みがずーっと伸びていき、低いと口の形が「*」になるようなキューッとする収斂味を感じるのです。極端に低い新政などを飲むと、めっちゃ実感できますよ。

それでは今日はここまで。第3回目でまたお会いしましょう~。

第3回目はこちらです。