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味の傾向:
アルコール度16%の生原酒という、流行ど真ん中スタイルの日本酒。フルーティかつフレッシュな香り、甘口でありつつもドライ感もあり、酸味でシュッとキレる軽快感はレベルが高い。が、なぜか個性が感じられないお酒である。

僕の評価:70点/100点(教科書通りにつくりました感がすごい)

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今回は福島のニューカマー(たぶん)をご紹介。「生粋左馬(きっすいひだりうま) 純米酒 生原酒 H30BY」であります~。居酒屋メニューに載ってると注文する時困る系の名前です!(笑) 僕は「きっすいさま」って読んでましたよ。今回も福島の友人が送ってくれたお酒になります。いつもありがとう~。

あの「はせがわ酒店」でも取扱いがあるらしいので、洗練されたモダンなお酒を予感させますね。しっかりデザインにお金かけられたラベルも好印象。跳ね馬のイラストが描かれたラベルってけっこうあるんですが、生粋左馬のものは色で特色出しているので、酒屋でも目立つと思いますね。見た目で他のお酒に勝つことは重要です。

偶然ですがこの生粋左馬は、前回飲んだ同じ福島県の自然郷BIOとスタイルが似ています。アルコール度16%、精米歩合60%、原酒、というところまで一緒ですね。これは面白い。比べがいがあるというものです!逆に違うところは、生粋左馬は生酒、自然郷BIOは火入れというところでしょうか。ちなみに生粋左馬は日本酒度や酸度、アミノ酸度は非公開です。残念。

日本酒の味わいを決める上で重要な、アルコール度、精米歩合、加水の有無まで一緒だと、あとは味の傾向が同じなら杜氏の腕が全てを決定します。見た目からしてモダンな印象のこのお酒は、自然郷BIOと同じ味わいを予感させますね。

楽しみにして、飲んでみましょう!

◆極めてハイレベル でも感動値が低い

味の第一印象(冷酒)は「フルーティで味の凝縮感があっておいしい!でも、どっかで味わったような?」でした。文句つけられないほどよくできているのですが、味が予想通りすぎて面白さがないのです。

香りは今どきの日本酒らしく、フルーティなバナナとリンゴの香りが忽然となった気持ちの良いものです。生酒らしいクールな印象も交じるので、実に心地いい。お酒には炭酸も混じっていたので、搾ったら即瓶詰めでフレッシュ感を閉じ込めているのでしょう。味は甘さがありつつも抑えられているバランスタイプ。味の後半は酸味がしっかり出ていて、苦味と混ざってキレていきます。うん、上手だ。

しかし、なんでしょう、この普通感は。糖分を多めに残したアルコール度16%の生原酒で、酸味豊かにして吟醸造りすればこうなるよね、という予想を一歩もはみ出していないのですね。これではいくら良くできていても感動がありません。感動とは予想が裏切られることで生まれるのですから。

◆スペックに表れない何かが、お酒の魂である

この感想、しょせんマニアの独りよがりかもしれません。今回の生粋左馬は本当によくできていますから。さすが福島のお酒です。それほど日本酒飲まない人なら、十分に楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか。

ただ、やはり自然郷BIOとの差が気になります。ほぼ同一スペックかつ同様の味わいながら、自然郷BIOは極めて個性的で楽しいお酒でした。お酒の真髄は数値に表れないところにあるのです。それが感じられないこのお酒は、僕的には残念でしたね。

「生粋左馬 純米酒 生原酒 H30BY」、モダンな福島酒、だが個性を身につけて欲しいと思ってしまう一本でした。

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名称
:生粋左馬 純米酒 生原酒 H30BY
精米歩合:60%
酒米:五百万石100%
酵母:協会9号
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
アミノ酸度:不明
蔵元情報:有賀醸造合資会社(福島県
購入価格(税込):1350/720ml