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味の傾向：たっぷりとしたアルコール感がウリの純米原酒。しっかり熟成しているので、香りのカラメル感はかなりのもの。冷酒、熱燗で飲むと弱点があるが常温がとてもよく、濃い味わいをサラリと楽しめる。

僕の評価：６０点/１００点（いいところもあるけど、対抗馬が強すぎ）

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久しぶりに日本酒頒布会サービス「saketaku」から届いたお酒のレビューをお届けしますよ～。今回は富山県の「よしのとも　純米原酒　saketakuオリジナルブレンド」であります。吉乃友酒造は初めて飲ませてもらいますね！

富山というと日本酒的には有名な場所じゃないけど、実力派そろう玄人好みの県という印象があります。入手困難な勝駒、華やかな羽根屋、重鎮の満寿泉、さらにスーパー日常酒と名高い立山！いいですねぇ、富山のお酒だけで一晩宴会ができそうです。

今回のお酒は名前の通りsaketakuのオリジナル商品のようですが・・・どうオリジナルなのかがわからない（笑）。蔵元のＨＰには元になった商品が載っていますが、日本酒度と酸度が違っているので、そこが特別仕様なのでしょう。

それではスペック確認です。saketakuはここが完璧に載っているから、すごく助かります。あざっす！

アルコール度　１７％
精米歩合　６５％
日本酒度　＋３．５
酸度　１．６
アミノ酸度　１．６
火入れ、純米、原酒

原酒仕様のお酒なのでアルコール度が高いですが、１７％というのは原酒としては普通な感じですね。他の数字も割とノーマルですが、アミノ酸度だけ目立って高いです。いかにも濃密な酒質を予感させますねぇ。ふふふ、そういうの好きですよぉ。アミノ酸はいろいろな味わいを持っているので、味が複雑になるのが好きなんですよね。

さあ、飲んでみましょう。

◆温度帯がシビアだがグッドな味わい

味の第一印象は「熟成感あるうま味に、アルコールの甘さ・苦さ・刺激ががっつり混じるゴツい系日本酒」というもの。きましたねぇ、骨太タイプのうま味酒！菊姫の山廃系好きな人はきっと好きですよ～。

このお酒は常温がとてもいいんですよね。確かにアルコールが高いがゆえの濃さがあるんだけど、不思議と水っぽさが増す感じで、飲みやすいんです。同梱されていた解説書では、アヒージョや豚の角煮、味噌カツに合うと書いてあるけど、確かにこの味なら似合いそうな感じがします。

ただ、冷酒と熱燗がイケてないのが残念。冷酒だとアルコール感が強すぎて刺激がキツい、熱燗では酸度が目立ちすぎて熱燗特有のまろやかさなどを邪魔していしまいます。うーん、常温以外が弱いというのはもったいないですな。この手の火入れ熟成酒は、温度変化を楽しむのが面白いですし。

カラメルや硫黄系の匂いにアルコールのツーンとくる感じもたっぷりあるお酒なので、香りが拡散する平盃がよかったです。それだけで飲みやすさもかなり変わるので、マイ酒器のラインアップに平盃がない方は揃えておくといいですよ。

◆同系統のライバルが強すぎる

好きな人は好き、苦手な人は苦手という、好みがはっきり分かれるであろうお酒でした。しかし、この手のが好物の人にとっては十分期待に答える１本でしょう。

しかし、このテイスト、剣菱の「剣菱」（いわゆる無印剣菱）そのまんまなんですよ。これは分が悪い。向こうは冷酒も熱燗も最高ですからね。値段や入手難易度を考えないとしても、剣菱選んじゃいます、僕。



小さな蔵元は大手に比べていっぱいハンデがあるのですが、同系統の味わいで勝負すると比べられてしまうのもその１つです。酒質で大手を上回るのは至難の技なので、小さい所なりの戦略というものが必要なのだと思います。

そこをうまくこなして成功した蔵元がどんどん増えてきたからこそ、今の日本酒シーンが面白いんですよね。今後も大手、中小問わず楽しんでいきたいです。

「よしのとも　純米原酒　saketakuオリジナルブレンド」、もうちょっと小さい蔵元ならではのよさが欲しかった１本ですね。

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名称：よしのとも　純米原酒　saketakuオリジナルブレンド（純米、火入れ）
精米歩合：６５％
酒米：五百万石１００％
酵母：Ｋ７０１
アルコール度：１７％
日本酒度：＋３．５
酸度：１．６
アミノ酸度：１．６
蔵元情報：吉乃友酒造　有限会社（富山県）
購入価格（税込）：１４０４円/７２０ｍｌ（参考価格・通常ブレンド品）
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