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味の傾向:
亀の尾を使った火入れの純米酒。冷酒で飲むと甘みも酸味も貧相で、実にそっけない味わい。しかし、温めることで柔らか~く酸味と甘みが出てきて大幅に美味になる。酸味を使ったキレは、ぜひとも体験すべきだ。

僕の評価:80点/100点(もともと新政の熱燗は好きだったけど、これは更にいい)

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2019年新政頒布会、2本目のご紹介となります~。「新政(あらまさ) 2019年頒布会 アッシュ」です。「水墨」と書いてアッシュと読むそうです。中二病ですか、そうですか。

1本目のエクリュについては前回の記事をどうぞ。


火入れかつ米違いでリリースされるカラーズシリーズの特別醸造酒ですね。亀の尾は昔から新政酒造と縁があるようで、現体制になってからもここ10年ほど醸造に取り組んでいます。非常に溶けにくい米質だそうで、つくるのにはかなりの苦労がともなったそうですよ。

今までは高精白の吟醸酒に亀の尾を使ってきたのですが、今回は昔の新政の味を再現するというイメージのもと、65%という一般的な精米歩合でつくられたのがこのお酒だそうです。こういうロマンを追うのは新政らしいなぁと思うのですが、その追い方がまたカッコいいんですな。新政狂の人たちの気持ちがわかるってものです。

さて、スペックです。

アルコール度 14.6%
精米歩合 65%
日本酒度 -3
酸度 1.7
アミノ酸度 0.8
火入れ、純米、原酒

新政のお酒としては目立つところはないかな?と思われる数値ですね。前回のエクリュといい、アルコール度を14%台にしてきているところが、低アルコールへの執念を感じます。

糖分が多くて(=日本酒度が低くて)酸度が高いのもいつもの新政っぽい感じ。これだけだと判別つかないので、さっそく飲んでみましょうか!

◆冷酒は想像以上に微妙だが・・・

味の第一印象(冷酒)は「なんか味がないぞ・・・?」というもの。あれれ、甘さも酸味もどこへ行った?という感じ。ドライとも言えるんですが、味そのものが薄いのです。

香りは酸度が高いゆえの酸っぱそうな匂い(乳酸)、糖度が高いためにシロップののような匂いがあります。ここは想像通り。しかし、あの味のそっけなさはなんなんでしょう?

しかし!ここで蔵元の推奨温度であるぬる燗にすると、すべての評価が180度変わります。とってもスム~ジィな甘さがふんわり出てきて、飲みごたえがぐっと増しますんですよ。旨みもちょっと増えるけど味わいの主役は酸味です。まろやかな甘味に酸味が包まれているので、とっても上品なんですね。いやー、うまい!!

個人的にお気に入りなのがぬる燗で飲んだ時のお酒のキレ(フィニッシュ)。普通の本醸造などだとアルコールの刺激と苦みがグワーンと伸びて辛口な印象でキレるのですが、この新政はそこが酸味でキレるんですね。これが新感覚で楽しい!低アルコール寄りの度数にして、味わいにおけるアルコールの存在感を下げたがゆえの成果だと思います。いや~、おいしいなぁ。

◆ついに新政も熱燗専用酒発売か?

昔から新政の温め酒はうまいと思っていたのですが、蔵元から熱燗推奨のお酒が出ると嬉しくなっちゃいますね~。とにかく酸味が気持ちよく味わえるので、僕は大好きなのです!

獺祭や醸し人九平次は熱燗専用酒を販売しているじゃないですか。ああいうのが新政にもあるといいなぁと思うのです。誰が買っても飲み方がわかる商品ってのは、ユーザーフレンドリーでいいと思うのですよね~。

しかし、冷酒で飲んだ時の違和感の理由が知りたいですね。数値的には普通のお酒なのに・・・。おそらく数値だけでは判断できないアミノ酸のバランスじゃないかと思うのですが。アミノ酸は「甘くて・苦くて・旨い」のですが、単純な味わいを持つ糖分やアルコールに比べて複雑で、日本酒の味わいを決定する大きな要素なのです。

新政 2019年頒布会 アッシュ」、もともとおいしかった新政のぬる燗の魅力を、これでもか!と見せつけてくる美酒です。ぜひぜひ平盃でクイッと飲んでみてください。

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名称
:新政 2019年頒布会 アッシュ(純米、火入れ、原酒)
精米歩合:65%
酒米:亀の尾100%
酵母:新政酵母(6号酵母)
アルコール度:14.6%
日本酒度:-3
酸度:1.7
アミノ酸度:0.8
蔵元情報:新政酒造 株式会社(秋田県
購入価格(税込):4000/720ml×2本セット
購入日:平成31年4月ぐらい
購入店:福島より直送