日本酒勉強会「アルコール度の話」レポート　消費者が学ぶべき科学的な知識はこれだッ！ : 神奈川健一の日本酒ブログ

こんにちは、お酒ミライの神奈川建一です。

今回は、８月に開催した当ブログ初の日本酒勉強会の模様をレポートしたいと思います。

日本酒専門の勉強を始めて早２年超、ブログでは授業のレポートや単発の勉強記事も書きました。でも、学べば学ぶほど興味深い日本酒の秘密、これはぜひとも直接皆さんにお伝えしたい！と思ったのでオフの勉強会を企画してみました。

しかし、しかーし、不安がいっぱいでしたよ！はたしてこんな怪しい勉強会に来てくれる人がいるのか？そもそも僕は利酒師の資格すら持ってないのです。まさに無位無官の浪人状態。ただの日本酒チンピラにすぎないッ！

でも世の中心優しい人がいるもので、最終的に５人も参加していただきました。ありがとうございましたッ！いや～、本当に嬉しかったですね。その期待に答えるべく、精一杯講義やらせてもらいました。

場所は晴天に恵まれた高田馬場のレンタルスペース。晴天過ぎてめちゃくちゃ汗かきましたよ！漢方薬の天龍堂の看板が眩しいマンションの一室にありました。わりと古いマンションなんですが、駅からめちゃ近いので家賃高そうだよなぁ。

会場はこんな感じ。ワンルームマンションを改装したスペースですね。かなり狭くて収納もなさそうなんですが、家賃いくらだろう（しつこい）。今回のスペースはオーナーさんと鍵の受け渡しなどが一切ないセルフタイプの場所でした。とても楽なんですがちょっと不安になるんですよね、このタイプ（笑）。ちなみにレンタル料は格安でした。ありがとうございます。

さて第１回目のテーマは「日本酒におけるアルコール度の味わいへの影響」としました。

アルコール度という題目を選んだ理由ですが、僕が重視したい２つのポイント「消費者による消費者が学ぶべき知識を講義する」と「舌で覚える知識を重視する」に一番合うテーマだと思ったからです。

「消費者による消費者が学ぶべき知識を講義する」は、生産者側と消費者側では役立つ知識が違うということですね。今まで日本酒を学ぼうと思って接することができた知識は、ほぼ生産者側の知識です。おいしいお酒をつくるための知識ですね。でも僕ら消費者が勉強すべきは、おいしいお酒を飲むだめの知識なわけです。アルコール度の話は、まさにこの知識の最初の一歩にふさわしいのです。

「舌で覚える知識を重視する」は、お酒が味覚と嗅覚というネットや書物でほぼ伝わらないもので構成されているがゆえに、当然重視しないといけないことです。アルコール度の場合、飲めば誰でも理解できるぐらいシンプルな体感の知識なので、まさにぴったりなのですね。

今回講義した内容はこんな感じでした。

・アルコール（エタノール）とはなにか

・アルコールの味わいと香りはどういものか。実際に２０％濃度の水溶液で確認する

・日本酒におけるアルコール発酵の流れ

・日本酒におけるアルコール度の基本は１５％　そしてそれ以外について

・アルコール度から判断できる味わいと食事の相性

・加水と醸造用アルコールが味わいに及ぼす影響

・度数違いの日本酒をティスティングして、アルコール度の違いを体感する

これで３時間ですね。いやー、のど乾きました！喋り続けるのってキツいです（笑）。

ちなみに、ここにまとまっていることが講義した内容の中心になっています。

今回は僕にとって初めての日本酒講義だったのですが、やってみるといろんな発見があるもんですねぇ！

ティスティングは写真に写ってる「紀土・純米（１５％）、醸し人九平次・純米大吟醸山田錦（１６％）、菊姫・山廃純米呑切り（１９％）、大那・特別純米１３％原酒（１３％）」で行ったのですが、味覚嗅覚が鋭い方はしっかり嗅ぎ分けられていましたね。

今回僕のミスであまり香りが取れないグラスを用意してしまったのですが、説明していない酸度（乳酸）の香りを指摘できた方もいました。うーん、生まれつきの才能かなぁ。うらやましい！

また、味わいでは当然１９％の菊姫が一番アルコールの「甘さ・苦さ・刺激」が強く出ているのですが、意外と飲みやすいという感想がいくつもでました。これもまだ説明していない旨み成分であるアミノ酸の効果なのですが、皆さんの反応がよいので予定外に講義のレベルが上がりましたね。なんというか、むしろこっちが勉強になったよ！という感じです。教えるってことは学ぶことだ、という格言が真実なんだなぁと理解した１日でしたね。

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以上、お酒ミライ日本酒勉強会レポートでした～。講義が進むにつれて皆さんの目がキラキラしていくのを見るのは、代えがたい快感でした。今後の日本酒ライフに役立つことを願いますッ！