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味の傾向:
新規高級日本酒ブランドが初めて発売した商品。濃厚な色のつき具合と、香り高く刺激的な匂いが期待をあおってくる。味わいも濃厚で蜜のように甘い。そしてオレンジピレーのような苦さとピリピリくる刺激のハーモニーが混ざり合ってド派手な味わいをつくりあげる!わぉ。

合わせた料理:ローストビーフ、カルパス&クリームチーズのリッツ載せ、ツナサンド、牛肉のステーキ

僕の評価:85点/100点(激しく個性的なお酒だけど万人向けになっている。すげぇ)

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今回のお酒は完全新規ブランドをご紹介!「FORBUL(フォーブル) 鷹ノ目(ホークアイ) H30BY」であります~。出荷が11月なので、もしかしたらR1BYかもしれませんね。FORBUL代表の平野晟也さまよりいただきました。ありがとうございます!

2018年設立のFORBULは「既存の評価軸にとらわれない、『世界に通用する高品質な日本酒』をつくること」をミッションにすえた日本酒ベンチャーです。そしてこのたび、2019年10月に待望の商品第1弾が発売されました!それがこの鷹ノ目になります。おめでとうございます。

普通の日本酒の基準で判断されないために、精米歩合を含めたスペックは非公開、お値段は4合13200円(税込・送料込)!前のめりな販売戦略です。スペック非公開は僕的には困るのですが、その心意気やよしです。販売は公式オンラインショップのみ、販売日時も限定されています。

値段が値段なので、飲んで判断するしかありません。いきなり高級酒からリリースする戦略は株式会社ClearのSAKE100を思い出しますが、この鷹ノ目もその価格にふさわしい味わいを持っているのでしょうか?ちなみに醸造は山口県の株式会社はつもみじが担当しています。MUZEもはつもみじが醸造してましたね。

さてスペックですが、非公開でしたね・・・(笑)。

アルコール度 16%
精米歩合 非公開
日本酒度 非公開
酸度 非公開
アミノ酸度 非公開
火入れ、無ろ過、純米

さすがに推測しようがないですが、アルコール度16%なので食中酒もこなせる数値です。そして無ろ過が気になりますね。唯一個性がわかる表記です。まあ、とりあえず飲んでみましょう!

◆強烈な甘さと刺激がダブルパンチで飲み手を襲う!

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味わいの第一印象は「超濃厚ハチミツ系日本酒!(刺激感バリバリあり)そして肉に合う!」というものでした。す、すげーなこれ!スーパー無ろ過生原酒を目指しているでしょ!

まず見た目がすごい。濃い黄緑色です。火入れしているのでしょうけど、生酒の雰囲気もたっぷりあります。甘い香りと青草の清涼感がフルーティな香りより目立っています。荒々しい刺激とトロトロの甘さを予感させるぅ。

飲んでみると明確に甘い。上に書いたようにハチミツみたいです。飴っぽい味わいの日本酒があるけど、それより上品に仕上がっている。味の後半は苦いのだけど、甘さと直汲み生酒的な刺激感と混ざってむしろおいしい。これがラベルに書いてある「オレンジピレー」のニュアンスなんですね。なるほど、確かに。

そしてこのお酒最大の特徴はアルコール度16%が可能とする食中酒の性能!この濃い味わいを食事に合わせられるんです。そこから楽しめる驚きのペアリングが最高でした。おすすめは肉だということで、カルパス、ローストビーフ、ツナサンド、ステーキと用意してみたぜ!

中でもローストビーフが最高でしたね。お酒のスパイシー感と肉の旨みが混ざり合って、もーどうしろと言うのか!というほど盛り上がってしまいました。あんだけ甘いのに肉に合うとは驚きです。このお酒のポテンシャルを感じるにはうってつけの食材でしたね。ちなみに写真のステーキは僕的にはいまいちでした。肉の温度とお酒の温度が離れすぎているせいかな?と思いました。近いほうがよい気がするんです。

◆高級酒の新しい形がまた1つ誕生

いや~、強烈な1本でした。こんなお酒飲んだことないですよ。高いお値段にするだけの価値がある日本酒でした。味の濃さや見た目の派手さからして、精米歩合は高め(70~80%)なのでしょう。ここで判断されないために精米歩合非公開にしたのは正解だと思います。手間がかかったお酒であることは、飲んですぐわかりますもの。

ちなみにコスパ的な議論はこのお酒には意味がないです。SAKE100でも書きましたが、これは地酒マニア向けではなく、美味しいものにコストを払うことをいとわない層に向けた商品です。新しい層の日本酒ファンを開拓するための第一歩なのでしょう。その役目は十分にはたせていると感じました。

「FORBUL 鷹ノ目(ホークアイ) H30BY」、また1つ驚異の高級酒が誕生しました。もし出会ってしまったら、なにはともあれ飲んでみてください。その可能性を実感できるでしょう。