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味の傾向:
年末に販売されるお買い得な29%精米の純米大吟醸。最大の特徴は超滑らかな舌触りである。トロトロ感とふわっとした軽さが信じられないほど心地よい。味わいは淡い甘さで、飲みきった後のフィニッシュに苦味と刺激が存在しない。とんでもない1本だ。

僕の評価:90点/100点(将来が楽しみな恐ろしいお酒)

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今回は正月用に買った日本酒をご紹介します。「宮寒梅(みやかんばい) 純米大吟醸 29福 R1BY」であります。お酒の名前は「ふくふく」と読むらしいですよ。ラベルも含めてかわいいですね~。

宮寒梅を醸す寒梅酒造が1年の感謝を込めて販売する季節限定商品でして、29%という高精白のお酒なのに4合瓶2200円(税込)というお買い得価格!あっという間に完売するのもうなずけるというものです。普通なら3000円はしそうな商品ですよ。

実はこのお酒、去年先生の授業でティスティングしてから狙っていた1本だったりします。最寄りの酒屋で見つけて即確保ですよ。初めての飲んだ時は、普通のお酒とあきらかに違う味わいに驚きましたが、自宅で飲む29福はどういう味わいを楽しませてくれるのでしょうか?

スペックはネットに詳細を見つけられたので、掲載してみます。

アルコール度 16%
精米歩合 29%
日本酒度 +1
酸度 1.4
アミノ酸度 1.0
火入れ、吟醸づくり、純米、加水あり

これは面白いスペックですねぇ。ポイントは日本酒度、酸度、アミノ酸度、全ての数値が低いこと。特にアルコール度16%で酸度1.4は低いです。下手をすれば輪郭がないぼんやりしたお酒になりそうですね。この数値と精米歩合29%が合体すると一体どんな味になるのか?さっそく確かめましょう。

◆なんなんだ、このとんでもない舌触りは!!

味の第一印象(冷酒)は「口に含んで、喉を通過し、飲みきるまで、一切の邪魔が存在しないほどにスムーズな味わい!」というもの。なんですか、これ。日本酒なの??

色はうっすら黄色でしょうか。香りにはハーブっぽい青草っぽい印象が交じるので、火入れですが生っぽさを残しているみたいです。フルーティな匂いもちゃんとある。まあ、ここまではいいです。

問題は味わい、特に舌触り!日本酒に本来あるべき刺激が存在しないんです!具体的にはアルコールのピリッとくる刺激感と苦味です。これが一切ない。あ、ありえないんですけどぉ!?

日本酒はアルコール飲料ですから、なにかしらエタノールの存在を教えてくれるサインがあります。それはじわっと広がる苦味だったり、舌を刺すピリピリした感覚だったりします。これらが一切ないのがこの29福なのです。

あとに残るのは糖分とアミノ酸が醸し出すトロッとした甘美な淡い甘さのみ・・・これを甘露と言わずなんと言う!とばかり叫びたくなるような味わいです。この文章で伝わるか不安なほどの味ですよ!

◆この高みにどうやって到達したのか

去年飲んだ味わいと寸分違わない凄い日本酒でした。国内では十四代の高木酒造のみが実現している味と思っていましたが、ついに同じ高みに到達した蔵元が出てきたのですね。十四代よりずっとライトな味わいですが、高木酒造のお酒を家飲みしたことがある方ならきっと理解してくれるのではないでしょうか。

ただ、僕が以前飲んだ十四代と同じなのですが、その賞味期限はとても短いです。3日目に飲んだら酸化が進んで一気にバランスが崩れました。いやー、恐ろしくシビアなバランスで成立しているお酒なんですね。もし入手するころができたのなら、ぜひその日の内に飲むことをおすすめしますよ。



「宮寒梅 純米大吟醸 29福 R1BY」、ついにあらわれた日本酒の限界を突破したお酒です。今年大注目の酒蔵ですね。