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味の傾向:
酒屋さんが蔵元に特別につくってもらっている限定の日本酒。アルコール度16%だが香りも味わいも柔らか。フワフワしたとらえどころのない甘さを、芯の通った酸味がビシッとしめてくれる。わかりやすくおいしく、ハイレベルなお酒だ。

僕の評価:80点/100点(かなり好み。すいすい飲めちゃう)

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どんどん増えていく秋田の日本酒カテゴリ in お酒ミライ!ということで、今日も秋田県のお酒をご紹介です。「本荘(ほんじょう) 純米吟醸 H30BY」となります。今回も秋田の友人から送ってもらいました~。

このお酒は「美酒の設計」「雪の茅舎」でおなじみの齋彌酒造店が製造しているお酒で、同じ市内にある酒屋「地酒の村井」のプライベートブランドなんだそうです。お酒の名前は蔵元と酒屋がある本荘市から取っているようですね。

僕のようにお酒の情報収集をさぼっている奴にはまず見つけられない日本酒でしょう。なんぞこれー?とツイッターに上げたら、「それめっちゃうまいんだよ、知らないのかよ、豚に真珠だろ、HAHAHA」とレスをいただきました。どうもありがとうございます(肩を震わせながら)。

さてさて恒例のスペック確認です。裏ラベルにしっかり記載してくれています。

アルコール度 16%
精米歩合 45%/55%
日本酒度 +2.8
酸度 1.5
アミノ酸度 不明
吟醸づくり、火入れ、原酒、純米

数値的にはごく普通でしょうか。日本酒度はやや低く酸度はやや高いですが、甘酸っぱさを売りにする秋田のお酒としては珍しくないと思います。こうなるとアミノ酸度でお酒の性格を見極めたいのですが、恒例の未記載。ああ、知りたかった(笑)。精米歩合は50%前後なので、純米吟醸らしく綺麗なお酒が期待できます。(追記 齋彌酒造店はほぼ全商品が加水なしだそうです。うっそ!?みたいな驚き)

飲んでみましょうか。

◆綿あめみたいな甘さにうっとり

味の第一印象(冷酒)は「甘味・酸味のバランス最高!」でした。こりゃあ、秋田のお酒の中でも相当ハイレベルじゃね!?

お酒の色はしっかり黄色になっていますね~。糖分多め&火入れで色づいたのかな。香りはリンゴ系のフルーティな感じ。でもごく弱いですね。もしかしたら熟成しているのかもしれません(貯蔵すると色が濃くなり、香りは減るのです)。

味わいは予想通り甘さと酸味が主役なんですが、甘酸っぱいとかじゃないんですよ。そういう言葉からイメージするようなジュースっぽさではなく、和菓子みたいな感じ。甘いけど濃すぎずむしろ薄い。このフワフワ舌感じは綿あめみたいです。伝わるかな?

その甘さにキュッとした酸が混じって絶妙なバランスなんです。こんな軽いお酒なのに飲みごたえがあるのはこの酸のせい。典型的な秋田酒の味ではあるけど、超ハイレベルでしかも僕好み。上品だけど気楽に飲める印象もあって、みるみるうちにお酒がなくなります!やばい!

◆秋田のお酒の中でも頭一つ抜けた1本

友人のおかげで秋田のお酒はいろいろ飲んできたのですが、その中でもかなり上位ですね。軽やかな甘みと爽やかな酸って秋田の十八番なんですが、その枠内でつくりつつも他のお酒とは明確に違う。これって相当難しいですよ。齋彌酒造店はとんでもないですね。もちろんそれを発注する地酒の村井さんも!

注意点としてはこの記事を読む限り毎年味が違うようです。なのでBYが異なると今回のレポートとは味が異なる可能性大です。しかし、違ったとしても僕はもう1回飲んでみたいですね。そのぐらい造り手と企画者の実力の高さを感じました。

齋彌酒造店「本荘 純米吟醸 H30BY」、秋田酒好きはぜひとも飲んで欲しい1本。その甘味に酔ってください。