写真 2020-04-20 21 34 26
味の傾向:秋田の高清水の限定品。1年寝かせたアルコール高めの原酒で、熟成が見事にキマっている秀作だ。甘すぎず苦すぎず、そして非常に滑らか。派手なスペックからは想像できない落ち着いた味わいが魅力的である。

僕の評価:80点/100点(味わいの複雑さを楽しめる1本だ)

◆◆◆

今回は秋田の超大手メーカー・高清水のお酒をご紹介。「高清水(たかしみず) 生もと特別純米生詰原酒 H30BY」であります~。当ブログで高清水を載せるなんて、下の記事以来ですよ。懐かしいなぁ。



いつも通り秋田の友人から届いたお酒なのですが、どうやら試験醸造的な限定品らしいです。そのせいか容量も500mlとイレギュラーなサイズです。ラベルには日本酒マニアが喜びそうな数値がずらり。うへへ、たまらないなぁ。このラベルはおそらく香川の悦凱陣をリスペクトしたデザインでしょうね。

こういう大手酒蔵がつくるこだわった新商品の発売は、大手なりの危機感なのかなぁと思います。久保田の純米大吟醸しかり、白鶴の別鶴しかり、菊正宗の百黙しかり。模索自体は大歓迎、ぜひとも協力したいところですね。そこで得られた知見を、どう活かすかでメーカーの今後が決まるのでしょう。

スペック確認です。しっかり書いてあるのでありがたいですね。とっても楽ちん!

アルコール度 17.3%
精米歩合 60%
日本酒度 ±0
酸度 2.3
アミノ酸度 不明
純米、原酒、生もと、火入れ、1年熟成

スペックとしては純米原酒で糖分が多く酸度が高いタイプです。甘さを酸っぱさでバランスさせているお酒ですね。通常なら高いアルコール度も相まって派手な味わいをイメージします。しかし、これは1年寝かせている熟成酒です。これがどういう効果を与えているかがわかりませんね。さらに重要なアミノ酸度も不明です。飲んでみないとわからないってやつです。

うむ、飲んでみようじゃないか!

◆熟練の腕を感じさせる味わい

グラスに注いだらすぐに色を見ます。これ大切。ふむ、黄色いですね。しかし、うっすらぐらいのレベルです。1年だとこんなもんでしょうか。原酒だし糖分多いからもっと濃いと思っていました。

香りはしっかりアルコールの匂いがしますね~。さすがに17%を超えると強く感じます。それと酸っぱそうな感じと重いオイリーな印象。吟醸造りはしているかもしれませんが、ほとんど感じませんね。

飲んでみる。これは・・・コクがある!それでいて重くなく滑らかだぞ。おお~上手だ!!

とにかくね、落ち着いているんです。派手でなく静か、でも複雑で奥が深い。そんな感じ。こういうの飲むと「上手だな~」という感想になります。いい腕だ、シェフを呼べ!

「甘さ、旨さ、酸っぱさ、苦さ」この4つ全部あるのですが、どれもほどほどのバランスで突出したものがない。角が取れて丁寧です。これぞ熟成のなせる技。1年熟成としては見事でしょう。

特に苦さのコントロールがいいですね。これだけアルコール度高いのにあまり気にならない。そのおかげでとっても飲みやすくなっています。いや、上手だ。すごいなぁ。

◆食中では秋田らしくなる

特別印象に残る強い味わいがあるわけではないのですが、食後にお酒だけ飲んでいるといつの間にか無くなっているタイプのお酒ですね。いぶりがっこやチーズ片手に長編小説を読んだりするとハマるかもしれません。奥が深い味わいで、蒸留酒を思わせますね。

和食と合わせるとじんわり糖分の甘味が目立って、ああ日本酒度±0なんだなぁということがわかります。この素直な甘さは秋田そのもの。凝った味わいですが、高清水も秋田の地酒なんだなと実感して嬉しくなります。

「高清水 生もと特別純米生詰原酒 H30BY」、高清水の高い技術力を確認できる秀作です。秋田ファンはぜひ飲んでみてください!