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味の傾向:飲み屋でもよく見かける300ml瓶の定番酒。単独で飲むとめちゃくちゃ薄味で困ってしまう。しかし、食事と一緒だといい働きをするお酒。澄んだアルコールの味わいの中に綺麗な甘味がじわりと広がる。ガッツリとした夕食と一緒に飲もう。

合わせた料理:和風じゃがバター 厚揚げと青菜のおひたし

僕の評価:65点/100点(全然あり。居酒屋で選べると嬉しい)

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こんにちは。いろんな偶然が重なって、最近はスーパーで買えるお酒に熱心な神奈川建一です。今回は「白鶴(はくつる) 上撰 生貯蔵酒」をご紹介だぁ!白鶴のお酒の紹介は初めてですね。言わずと知れた大手酒造メーカーさんです。

この瓶、けっこう居酒屋なんかで見かけますよね。よくある「日本酒 熱燗/冷酒」という日本酒ラバーが無表情になるメニュー(笑)ではなく、もうちょっと種類を選べるメニューを出してくれる飲み屋で見かける気がします。

まー、そういうところでも「日本酒 生」なんて書いてあるのに、一回火入れのこれが出てきたりしますが!そういうことがあると、個人的にはむしろポイント高いですが!生って漢字が入っていれば生なんじゃあ!

この上撰・生貯蔵酒の面白いところは、ラインナップが300ml瓶と180ml瓶のみな点ですね。900mlのパック酒とかあってもいいのに。瓶に書いてある通り、フレッシュ感を楽しんでほしいということなんでしょうね。

さて、スペックです。驚くことにかなり公開されています。うおお、白鶴ポイント高い!

アルコール度 13~14%
精米歩合 不明
日本酒度 +2
酸度 1.2
アミノ酸度 1.1
一回火入れ、加水あり、アル添

精米歩合が公開されていませんが、60~70%ぐらいでしょうから問題なしです。最大のポイントはアルコール度がめちゃくちゃ低いということ。超軽い酒質になっていると思われます。さらに酸度もアミノ酸度も低い!これは薄っぺらい味わいを覚悟せねばなりません。

さあ、どうなんだろう?

◆綺麗な甘さにびっくり

注いでみます。うん、透明ですね。知ってた(笑)。

香りはどうか?おや、甘い香りがするぞ。もちろんアルコール度が低いので、アルコールの刺激は少ないです。これ、もしかして糖分(グルコース)かなり多いのか?

ゴクリ。

うっっっすッ!!!!味、薄ッッッ!!!

これは淡麗すぎますわ。見事に水みたいなお酒になっています。酸度も低いのですが、苦味も刺激も低い。これをどうしろというのか。

困りながらも料理(和風じゃがバター)と一緒に飲みます。

あ、あれ、めちゃくちゃいい感じの甘味が浮き上がってきたんですけどーーー!?

これ、食中で甘さが映えるタイプのお酒なんだ。そういう設計かー!やはり香りから想像できた通り、糖分の中でも甘いグルコースが多めのお酒のようです。こりゃ悪くないぞ。

おそらく塩っぱいもの。特に醤油に好相性です。もしかしたらバターもいいのかも。ホタテバター醤油とか。なんとなく白ワインと特性が近いのかもしれません!

◆焼き鳥屋さんにも似合う

単独で飲んだ時と食中での時と、評価が180度違うお酒でした。いや~、あの甘味にはやられましたわ。不意打ちだった分、驚きも大きかったですね。

ただ、自宅で食前に飲むとすごくがっかりするので、やっぱり外飲みでいただきたいですね。僕の好きな焼き鳥屋にもこのお酒があるんですが、あそこならさぞかしおいしく飲めるんだろうなぁって思います。ひたすら無駄話をしつつ焼き鳥をつついて、そんな時に上撰・生貯蔵酒の甘みがスッと入ってくると幸せだなと感じられることでしょう。

「白鶴 上撰 生貯蔵酒」、飾らない居酒屋で飲んだら、きっと3割増しでおいしくなる、そんな大衆酒でした。ぜんぜんありですよ!