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味の傾向:
お値段もスペックもルックスも似ている2本だが味わいは明確に違う。「まる」は「まろやか・ふんわり・滑らか」という印象。「天」は「爽やか、さらり、シャープ」という感じ。かなり明確なキャラ付けで面白い。飲み比べがおすすめだ。

合わせた料理:マグロ漬けどん

僕の評価:70点/100点(2つ同時に飲み比べた場合。めっちゃ楽しかった)

◆◆◆

待たせたな、ついに頂上決戦の時間だぁ!「白鶴(はくつる) まる」「松竹梅(しょうちくばい) 天」の飲み比べである!

なにせどちらのお酒も「日本でNo.1な日本酒はウチじゃぁ!」と主張しているんですから。これは白黒つけないといけないでしょう。ラベルにまで書いてあるし。
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言うまでもなく量販店の主力日本酒として有名な2本です。日本酒飲んだことがなくてもパッケージは見たことがあるでしょう。見た目も似ている。昭和のころ、とーちゃんにお使い頼まれて間違って買って怒られたガキンチョの顔が浮かぶようです。

お酒のスペックですが、これも似ています。味も同じなのだろうか?

白鶴「まる」
アルコール度 13~14%
精米歩合 不明
日本酒度 +1
酸度 1.2
アミノ酸度 1.1
加水あり、火入れ、アル添、糖類添加、酸味料添加、4段仕込み

松竹梅「天」
アルコール度 13~14%
精米歩合 不明
日本酒度 +2
酸度 1.3
アミノ酸度 不明
加水あり、火入れ、アル添、糖類添加、酸味料添加、多酸性酵母使用

ね、そっくりでしょう?特にアルコール度数。どちらもめちゃくちゃ低いです!こんなに低いとは驚いた。てっきり15%ぐらいかと思ってました。日本で一番売れているお酒達が低アルコール酒とは・・・。これはワクワクしてきましたよ。

気になるのは、「まる」の四段仕込みと「天」の多酸性酵母。ずいぶんマニアックな要素です。どれほど影響があるのか・・・調べちゃいますぜ!

◆見事に個性が際立っている

お酒の色と香りは・・・まあ、いいや(えー)。だってどうせ透明だしィ。カップ直飲みだったしィ。カップ酒のカップの口当たりって分厚くて好きなんですよ。

白鶴「まる」(冷酒)を飲むと・・・おおお、とってもまろやか!すごく角がないですね。これは好みだ。

アルコール度は低いんですが、薄さを感じさせません。これが四段仕込みの効果なんですかね?そして低アルの副次効果として醸造アルコールの存在感が低いです。これは驚き、やるじゃないか。

松竹梅「天」(冷酒)の方は・・・こっちは酸味があって爽やか!まったく酒質違うじゃん。これは楽しい!

「まる」と違って、加水が多くてお酒が薄まっているなという感じがします。逆に言えば滑らかで飲みやすい。そこに目立つ酸が混じってくるからとってもシャープですっきり。う~ん、ありだ。

マグロ丼と一緒に飲みながら観察したのですが、「まる」は日本酒らしい甘さで食事と混ざり合う感じ、「天」はシャープな酸味で食事に飽きた口内をリフレッシュする感じですかね。なんとなく「天」はビールを思い出させました。味というか、食事での役割でですね。

いやはや、ここまで味わいに違いがあるとは。面白いです!

◆スペックに現れない味の秘密

この飲み比べ、めちゃくちゃ楽しかったです。YouTubeの配信で適当に普通酒飲んだ時におもろいな~と感じて、再度やってみました。数値は似てるのにここまで違う。日本酒はやはり奥が深いです!

予想としては、

「まる」は加水とアル添が「天」より少ないのではないか

「天」は加水とアル添が多めで、多酸性酵母により有機酸がリンゴ酸多めになっている、アミノ酸度は1.0ぐらい

という見立てです。加水の部分は「天」の方がちょっぴり安いところも勘案して合ってるんじゃないかなーと思ってます。中の人がいたら教えて下さい(笑)。

「白鶴 まる」「松竹梅 天」、めっちゃ面白い飲み比べで、なにより2本ともよくできた日本酒でした。ぜひ試してみてください!