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味の傾向:
八海山が手掛ける新しい熟成酒。雪で低温に保たれた貯蔵庫において3年寝かした日本酒だ。糖分多めから生まれる甘さは、軽やかで滑らかな味わいで最高。が、後半強い苦味と刺激が出ていまい、その味わいを壊してしまう。これはいけない。

僕の評価:60点/100点(あきらかに不要な味が存在する。残念)

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僕が大好きな蔵元TOP10に入る八海山のお酒を紹介します!「八海山(はっかいさん) 純米吟醸 雪室貯蔵三年」であります。2019年12月出荷なので、BYはH29BYと思われます。

前回の天狗舞でも書きましたが、今さまざまな蔵元がチャレンジしているのが低温下での熟成です。この技術には日本酒の未来をつくる何かが眠っていると感じているのでしょう。機を見るに敏な八海山ですから、当然手掛けていました。さすがですね。



しかし、ボトルが最高にかっこいい!見てくださいこの白のガラスでつくられた真っ白なデザイン。真冬の魚沼が感じられるようです。八海山のブレない企業理念(魚沼が世界一!)があるからこその、完璧なパッケージですね。

スペックの確認です。安定の八海山、全公開です。最高かよ。

アルコール度 17%
精米歩合 50%
日本酒度 -1
酸度 1.5
アミノ酸度 1.3
原酒、三年低温熟成、純米、吟醸づくり、火入れ

これは確実に甘いですね。八海山といえども熟成は甘口なんだ~。日本酒度マイナスにアルコール度17%の原酒だと、間違いなくエキス分がぎゅっと凝縮された甘みの強いお酒でしょう。それを3年の熟成でどう育てたか?そこに注目です。

◆えっ、苦い??

期待に胸を膨らませてグラスに注ぎます。色は透明ですね。低温熟成と炭素濾過の影響でしょう(低温熟成だと黄色くなる反応・メイラード反応が進みにくい)。香りは吟醸香はほぼなく、甘い香りがします。糖分の匂いですね~。

飲んでみます。

ふわっふわの軽くて綺麗な甘み!わお~~~~~~~!!!

で、その後に強い苦味と刺激!????あ、あれ、なんだこのちぐはぐさは?

口当たりは見事です。熟成が生む滑らかな舌触りがめちゃくちゃいい。しかも重すぎない甘さで、ふんわり感を感じます。すげ~~~、やはり熟成の効果は感動的です。

しかし!その甘さにまったく似合わない強い苦味と刺激が後半出てきます。これで甘さが台無しになっているんですね。これは間違いなく17%のアルコール度からくる味。なんてこった。

もしかして、甘みがあまりに綺麗で透明感あるから、余計に苦味と刺激が目立つのかもしれません。これ、アルコール度と17%と表記されていますが、17.5%ぐらいあるんじゃないかなぁ。間違いなく必要のない味です。

◆惜しすぎて辛い

う~~~~ん、がっかり!というのが正直な感想ですね。八海山で外すことなんてほぼ無かったですし。しかも狙いである熟成の極上の舌触りは存在するんですもの。それを邪魔する味があるというだけで。

今回はほぼお酒だけで飲みましたが、食事に合わせるのは辛いですね。そもそもアルコール度数高めの原酒は、料理とのペアリング難易度高いです。今回のお酒は強い苦味があるので、和食の大半と合わない気がしますね。

「八海山 純米吟醸 雪室貯蔵三年」、期待していた分残念だったお酒です。もうちょっと経過観察してみますね。