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味の傾向:奈良の蔵元がつくる純米大吟醸。アルコール度が低い甘酸っぱい吟醸酒だが、最大の特徴は舌触り。8ヶ月の熟成期間で生まれたトロリとした滑らかさが甘さと酸味に混ざり合って激うまアルコールドリンクと化している。危険だ。

僕の評価:85点/100点(滑らかさがとにかくヤバい)

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はい、ふたたびこの銘柄をご紹介しますよ!「みむろ杉(みむろすぎ) ろまんシリーズ 純米大吟醸 露葉風 H31BY」です。以前にレギュラー商品の純米吟醸をレビューしましたね。

今回のこのお酒も前回ご紹介した雨後の月と同様、十四代を含む一升瓶4本セットのうちの1本です。そのため自分で選んだ商品ではないのですね。正直なところ飲んだ事がある銘柄なので、「大外れすることはないだろう」という安心感はありました。度胸ないですなぁ。笑ってください。


このお酒は季節限定商品のようでして、酒造年度(BY)を見て気づかれた方もいると思いますが、8ヶ月の低温熟成を経た商品だそうです。3月に上槽(搾ること)して11月に出荷される・・・夏超えしてますよ、これ。ちょっとワクワクしてきましたよぉ。購入したのは6月なので、さらに半年は寝ていますね。

さてスペックです。運がいいことに詳細な情報が手に入りました。

アルコール度 15%
精米歩合 50%
日本酒度 +1
酸度 1.9
アミノ酸度 0.9
一回火入れ、吟醸づくり、純米、加水あり(?)、低温熟成(約8ヶ月)

数値からして甘酸っぱい系の吟醸酒であることがわかります(日本酒度が低く、酸度が高く、アミノ酸度が低い)。特にアミノ酸度が1.0を切ると後味がスッキリするので、よく確認してくださいね。

あとは半年以上の低温熟成がどう影響しているのか・・・ですね。こればかりは飲んで確かめないといけません。

それではいってみましょう!

◆反則だろこの味わい!

もちろん冷酒でグラスにそそぎます。んん?けっこう色が濃いですね。黄色に色づいている。1年未満の低温熟成でこの色だと、もしかしたら原酒ですかね?

香りは青草っぽいクールな印象が残るフルーティなタイプです。あ、上手ですね~。メロンぽいかもしれません。熟成でも減りすぎてない塩梅がいいです(熟成するとフルーティな香りは減るんです)。

ゴクリと飲む。

スーパーウルトラミラクルうめぇじゃないですか~~~~~!!気持ちよすぎる滑らかさ!!

この快感を生んでいるのは間違いなくヌルりとした滑らかさですね。舌触りです。日本酒最大の長所とも言える部分で、みむろ杉はこれを出したいがために熟成をしているのでしょう。まじ上手ですね~。

味の基本は想像通り甘酸っぱい系なのですがバランスがよくクドくないので、滑らかさとよく馴染んで綺麗な印象があります。米をよく磨いた純米大吟醸らしさが映える、映える!

この滑らかさは、あの十四代の十八番なのですが、みむろ杉は甘酸っぱい系にすることで差別化を図っています。人によっては十四代より気に入るんじゃないでしょうか。お見事です。

◆単独でグビグビいけちゃう

いやぁ、めちゃくちゃうまかったですね!みむろ杉甘く見ていました。すいません!

ただ滑らかさの寿命は短いので、短期間で飲みきった方がいいです。個人で一升瓶はやや無謀なので、4合瓶をお勧めしますよ。

しかし、前回の雨後の月といい、はせがわ酒店半端ねぇ・・・。うまい酒しか送ってきませんね。このみむろ杉はある意味売れ残りなのかもしれませんが、むしろ店内熟成して最適なの送ってきたんじゃね?と疑っちゃうぐらいです。セットのお酒は残り1本あるのですが、そちらも乞うご期待です。

「みむろ杉 ろまんシリーズ 純米大吟醸 露葉風 H31BY」、ミラクルな1本でした。フルーティ系がお好きなら絶対に飲んでください!





YouTube動画です。今回は意外と知られていないアミノ酸度のお話です。