写真 2020-08-14 20 36 07 (1)
味の傾向:生産方法を変更して価格が安くなった新政の火入れ酒。アルコール度13%の原酒で甘口という最近珍しくもないスタイルだが、圧倒的にうまい。甘さは華やかだが落ち着いていて、苦味と酸味が13%とは思えない飲みごたえをつくっている。まさに傑作。

合わせた料理:マカロニサラダ

僕の評価:85点/100点(これだから新政宅飲みはやめられない)

◆◆◆

さあ、皆さん大好き新政のお時間ですよー!「新政(あらまさ) コスモス R1BY」です。言わずと知れた日本酒を代表する秋田の地酒です。いただいた10万円の給付金で買ったお酒ですね。



カラーズという酒米違いでリリースされるシリーズの1本でして、このコスモスは改良信交というお米が使われています。なんでも希少なお米だそうですが、精米歩合の改善によりローコストでの提供が可能になったそうですよ。やったぜ!

その昔コスモスが初めて販売された時にも僕は購入しているのですが、たしか4合5000円ぐらいで買って、「うーん・・・」という感想しか持ちませんでした(笑)。しかし、毎年進化するのが新政という蔵元、期待を込めての再購入です。

スペックですが、当然非公開(泣)。公式頒布会のお酒はしっかり書いてあるのになぁ。まあ、ロットごとのブレのせいで公表できないんだと思います。

アルコール度 13%
精米歩合 55%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、原酒、一回火入れ、木桶、生もと、吟醸づくり

まず驚いたのはアルコール度の低さ。14%かと思ったら13%!普通の日本酒は15%以上だということを考えると、相当低いです。セオリー通りに考えると、アルコール発酵を途中で止めたため、発酵しきれなかった糖分がお酒の中にたっぷり残っているはず。つまり甘いのですが・・・。さて、どうなんでしょうか。

飲んでみましょう。

◆甘い・・・!けど、妙に飲みやすい!?

栓を開けてグラスに注いでみます(もちろん冷酒)。おお!?色はほとんど透明です。糖分多いだろうに色がついていないということは、搾ってからかなりの短期間で出荷したのでしょう。炭酸の泡も見えます。刺激的な予感がしますね~。

香りは甘~い印象。うん、糖分多い。バナナっぽいフルーティな香りもあるけど、アルコール度が低いので穏やかです。しかし、普通の日本酒とは違う香りだなぁ。新政バイアスか?(笑)

飲みます。

・・・・!!!! !?!? めちゃくちゃバランスいいじゃないですか~~~~~!すごくうまい!!

予想通りかなり甘いです。そして新政らしく強い酸もある(加えて苦味も!)。しかし、どれも主張しすぎず、サラッと舌の上から消えていくんです。なにこれ、美しい!

そう、まろやかなんです。人間こういうのに弱い!この前のエクリュもそうでしたが、最近の新政って驚くほど滑らかさがあります。こんなに進化しているのー!?

甘口苦手な僕がスイスイ飲んでしまいます。よくある低アル原酒の糖分過多で飲みづらい印象はまったくなし。すごい、すごいぜ新政!

◆もうメロメロになっちゃう

今回のコスモス、ライブ配信をしながら開栓して飲んでいたのですが、なんと一晩で4合飲みきってしましました。配信のテンションがあったとはいえ、驚きですよ。普段日本酒4合とか飲めませんから。低アルコールなのもあるとは思いますが、新政のうまさを実感しましたね。

これは後で先生に聞いた話なのですが、最近の新政は以前よりアミノ酸度を上げているそうです(つまり旨味が増えている)。過去の新政の味というとメリハリの効いた甘酸っぱい味わいでしたが、確かに最近の新政は違います。尖った部分は減らして、全体のバランスとまろやかさを重視しているのでしょう。その上新政らしさは失われていない。いやー、とんでもないですね!

「新政 コスモス R1BY」、またまた新政の成長を見せつけられた1本でした。次の新政も早く飲んでみたいですね!