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味の傾向:山形県の開発した酒米を使った純米大吟醸。香りは飴のようで味わいは蜜のようという、めちゃくちゃ甘いお酒、しかしそれが驚くほどうまい!過剰な糖分が美しく喉を流れていく様は奇跡の瞬間である。

合わせた料理:タコとポテトのガーリック炒め、塩ダレ冷奴

僕の評価:90点/100点(甘口苦手な僕をこんなに楽しませるとか、悪魔か)

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はい、勝ち確定です!!「十四代(じゅうよんだい) 純米大吟醸 雪女神 R1BY」をレビューします~。言わずと知れた山形県、いや日本でトップの日本酒であります。つまり世界一ですね。

十四代は幻のお酒と言われますけど、関東圏内では日本酒専門の居酒屋に行けばけっこう見かけますよね。これってワインで言えばオーパス・ワンやドンペリニヨンが気軽に飲めるのと同じなので、恵まれているよなーと思います。信頼できるお店で見かけたのなら、多少高くても飲んでみてください。後悔しないので。

この十四代・雪女神は、その名の通り酒造好適米・雪女神を100%使ったお酒で、十四代のラインナップ的には新しい商品になります(3年目ぐらい?)。昨年までは4合瓶5000円ぐらいだったようですが、今年のは精米歩合が変更されていて(35%→40%)お安くなっていますね。

スペックです。まーネットでは見つからないですね(笑)。チクショウ。

アルコール度 15%
精米歩合 40%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
一回火入れ、吟醸づくり、純米、加水あり(?)

ごくごく普通の十四代の吟醸酒スペックですね。やはりアルコール度は15%なんですなぁ。十四代は本当にこの度数にこだわって出してきますね。新政が14%にこだわったり、醸し人九平次は16%だったりと、各蔵元の度数戦略にはいろいろ考えさせられますね。

さあ、飲んでみましょう。

◆むちゃくちゃ甘いのにむちゃくちゃ飲みやすい??

冷酒でグラスに注いで色を見ます。お、色ついている。ほんのり黄色いです。濃いのかな?なんとなく糖分の多い原酒っぽいルックスです。もしかして原酒なの?高木酒造、原酒出すのかなー。

香りはフルーティ・・・ですが飴っぽいカラメルっぽい糖分が熟した印象が!こりゃ~熟成一歩手前ぐらいのイメージですね。糖分めちゃくちゃ多いから、熟成香出やすいんだろうなぁ。早く飲んだ方が良さそうなお酒の予感ですよ。

飲みます。

うおおおおおおおおおッ、めちゃくちゃ甘いッ、とにかく甘い!あんみつかよ!それでいて舌触りは狂気じみたほど滑らかで飲みやすい!!

僕史上過去最高の甘口十四代ですよ。こりゃ、デザート酒と言ってもいいですね。そのぐらい糖分が詰まっています。あんみつでたとえましたが、正直な感想はガムシロップ(笑)。もうフルーツでたとえるのが無理なぐらいに甘いです。

それでいてとんでもなく滑らかなテクスチャーを持っているので、飲みづらさが一切ないです。ガムシロップなのにミネラルウォーターみたいに飲めちゃう。なにこれ、バグってませんか?

この滑らかさのおかげで、食事と合わせるのも苦じゃないです。今回は十四代の甘さを活かすために塩味中心の料理として塩ダレ冷奴とタコとポテトのガーリック炒めを用意しましたが、どちらもばっちり!冷奴はお酒の味を純粋に楽しめ、タコ&ポテトは甘みをじゃがいもが吸収するので、箸休めにぴったりでした。

◆高木酒造に勝てる蔵はあるのか?

今回も高木酒造の技術力、特に滑らかさの凄さを見せつけられた1本でした。あのテクスチャーがあれば、甘味過剰でもすんなり飲めちゃうんですね。いやー、ショッキング。甘口苦手派を自認していましたが、もしかしたら苦手なのは甘さではなく、あの喉に引っかかる飲みづらさが苦手なのかもしれません。

しかし、毎年おいしくなっていませんかね、十四代。10年前、5年前とも味わいはかなり変わっているそうです。市場の流行に合わせてしなやかに変化し、進化しているのですね。ここまで慢心しないで努力されたら、高木酒造に勝る蔵元なんて10年は出ない気がします。恐ろしいわ。

「十四代 純米大吟醸 雪女神 R1BY」、甘さと滑らかさを組み合わせると、化け物ができるということを実感したお酒でした。入手したら素早く飲んで楽しんでください!