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味の傾向:高級な地酒で主流の瓶内二次発酵ではなく、炭酸ガス充填という簡易な方法でつくられたスパークリング日本酒。香りは甘さを予感させるフルーティなタイプだが穏やか。味わいはシンプルかつ強めの甘さを炭酸の爽快感で支えている。後味に苦味が目立つところは好みが分かれそうだ。

僕の評価:65点/100点(悪くないけど感動もなかった)

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はい!青森のお酒です。「田酒(でんしゅ) Micro Bubble 白生 R1BY」であります~。青森もひさしぶりですが、田酒もひさしぶりですね。いわゆるプレミア日本酒の一角であります。

田酒の新作なのですが、調べてみると炭酸充填方式のスパークリングだったり、去年までは外ヶ濱という別銘柄で販売されていたり、田酒・純米吟醸 白生をスパークリング化した商品だったりといろいろ面白い背景があるみたいです。

珍しく興味持って「欲しいなー!」と呟いたら友達が譲ってくれました。いやー、持つべきものは素晴らしい友達ですね!(ごまスリスリ)

スペックを確認しましょう。けっこう詳細まで判明しております。

アルコール度 15%
精米歩合 50%/55%
日本酒度 -1
酸度 1.9
アミノ酸度 不明
吟醸づくり、生酒、純米、白麹一部使用、炭酸ガス充填、原酒?

数値的には今どきの甘め強めのお酒という感じです。アルコール度はラベルは15%なのですが、酒屋さんのHPでは14%台と書かれていたので、おそらく14.5%ぐらいなのでしょう。原酒かもしれません。

そして白麹が一部使用されています(焼酎用の麹です)。これはクエン酸が期待できますよ~。どれほど酸味を感じられるか楽しみですね。

◆甘口の発泡性日本酒だけど・・・

もちろん冷やしてグラスに注ぎます。ほう、ほんのり黄色に色づいてますね。生酒でこの色は糖分の多さとエキス分の濃さをあらわしています。こりゃたぶん原酒ですね。炭酸の泡はかなり激しいです。

香りは・・・うーん、穏やか。穏やかすぎますね。あんまり感じない。発泡性の日本酒のティスティングはあまりしたことがないのですが、こんな感じでしたっけ?うっすら甘いフルーティさを感じるぐらいですね。もしかしたら、それなりに貯蔵したお酒に炭酸充填したのかもしれません(貯蔵すると吟醸香は減るため)。

飲んでみます。

・・・・甘い日本酒に炭酸を入れたただけ、これ以上の感想が出てこないぞ!?

いや、ほんとこんなイメージでして、糖分がたっぷり溶けた甘い日本酒が発泡しているだけという感じ。甘さもストレートにシンプルなタイプなので、複雑味もありません。それ自体は悪いことじゃないのですが、わざわざ田酒が出すほどのものとは思えませんね。

さらに酸味が目立ちません。炭酸の刺激に隠れてしまっているのだと思いますが、白麹と言われないとわからないだろってレベル。レモンを思わせるクエン酸の味は感じられないですね。うーん、なんだこれは。

気になるのは後味の苦さ。苦さだけが妙に浮いているんですよね。お酒に色がついてましたから、ソトロン(熟成成分)かな。このせいで何杯か飲み続けていると口の中に雑味が残ります。そこまで目立つ味ではないですが、ちょっと欠点になっているなぁと感じました。

◆特別感がない

なんとも肩透かしの1本でした。さんざん悪く書いていますが、まずいわけじゃないんです。それこそ初めてスパークリング日本酒飲む人にとってはおいしいお酒だと思います。しかし、世の中にたくさんある発泡性日本酒と比べるとあまりにも普通で、それなりにいろいろ日本酒を飲んだ人にとっては物足りないでしょう。

まー、もともと田酒って派手なお酒ではないんですよね。看板商品である特別純米も地味と言っていいですし。しかし、新商品でここまで特徴ないと、さすがにがっかりしちゃいます。あの田酒なんだからきっと凄いに違いない!という期待感は見事に裏切られましたね。

「田酒 Micro Bubble 白生 R1BY」、日本酒好きにはちょっとすすめられない1本でした。難しいものですね。