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味の傾向:雄町の名産地・岡山の純米酒です。ナッツや燻製を思わせる深みのあるしっかりした香りは丁寧な熟成の証。味わいも力強い酸味苦味をメインとした厚みのあるタイプだが、アルコール度が低いゆえのサラリとした飲み口が心地よい。

僕の評価:75点/100点(ザ・日常酒。常温で常備しよう)

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はい、今回は岡山のお酒をご紹介ですー!岡山といえば雄町の本場。「燦然(さんぜん) 山廃純米 雄町」であります。

たまに見かける銘柄ですが購入は初めて。酒屋さんの角打ち(有料試飲)で飲んでみて、お!飲みごたえある熟成系の味だけど軽くていいじゃん!と気に入って買いました。新しいお酒に出会うには試飲が一番ですよね~。飲み屋だとどーしても記憶が飛ぶので(笑)。

さて、スペックですが見つかりませんでした。意外。簡単に見つかりそうな感じなのですがー。

アルコール度 15.5%
精米歩合 65%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
加水あり、純米、山廃、火入れ

やはり注目はアルコール度、15.5%ということで、穏やかな飲み口を期待しちゃいます。それ以外だと精米歩合65%でしょうか。最近のきれいな吟醸づくりしている純米には見られない割合ですね。香りなどに影響が出ているか気になります。

飲んでみましょう。

◆飲みごたえある味わいとアルコールの軽さの両立が素敵

このお酒おすすめの温度である常温で注いでみます。お酒の色はあんまり付いていないですね・・・。あれ、そんなに熟成していないのかな?もしくは加水が多くて、糖分も少ないか。

香りは・・・おお、力強い!ナッツ、燻製、温泉卵でしょうか。これはしっかり熟成していますよー。常温なのでアルコール度15%台でもアルコールが香る香る!やはり色が薄いのは加水のせいですね。

飲んでみます。

おおう!しっかりとした酸味苦味が厚みのある味わいをつくっています。それでいてサラッとしていて飲みやすい!

香りから想像できるような重厚な味です。甘みもちゃんとあって、そこに酸味苦味が混ざることで独特の熟成感というものを形作っています。お酒に慣れた人には熱燗への適正をビンビン感じるタイプですね。

僕的注目ポイントは、こんなに飲みごたえあるのに軽やかってところですね!もちろんその理由は低めのアルコール度。しかもこの度数は水を加えたことが原因なので、適度に滑らかさが出ていてより一層飲みやすいです。まさに理想の熟成食中酒。

このお酒はぜひとも味噌やみりんたっぷりの料理に合わせたいですね~。ぶりの照焼とか、味噌鍋とか!おかずを食べながらごはんを食べてもフィットするはずです。これは僕の好み好みですが、やはりこういうお酒に惹かれちゃいますね。

◆クラシック山廃もいろいろあるもんだ

この燦然はいわゆるクラシック山廃にカテゴライズされる商品ですが、予想以上に軽やかでスイスイ飲めました。クラシック山廃と言うと、菊姫を筆頭に天狗舞、剣菱などアルコール高めでエキス分たっぷりのお酒が有名ですが、こういうのもありだよな~と感じ入りました。

今回は主に常温で飲みましたが、皆さんの想像通り熱燗もおいしいお酒です。ぬる燗なんて最高だろうなぁ。これからの寒い季節、ぜひ飲んでみてください。

「燦然 山廃純米 雄町」、濃さと軽さ、矛盾した2つが調和して存在する見事な1本です。探してみてください。