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味の傾向:新開発の秋田産酒米を使って爛漫がつくるお酒の第2弾。香りは淡い印象で控えめにフルーティ、控えめに爽やか。味わいはトロリとした舌触りだが甘さはほどほどのバランスでやさしい。刺激的な後味が若々しい、キレのよいお酒だ。

僕の評価:75点/100点(百田と同じく今後が楽しみですね)

◆◆◆

前回に引き続き秋田の新作をご紹介するよー!「爛漫(らんまん) 純米大吟醸 一穂積 R1BY」です。純米大吟醸・百田と同時にリリースされた今年のお酒ですね。



一穂積(いちほづみ)は百田(ひゃくでん)と同時に発表された秋田産の酒造好適米です。秋田酒こまちと越淡麗との交配種だそうでして、淡麗な味わいを得意とするそうですよ。秋田のお米と言うと酒こまちが有名ですけど、2種類追加でバリエーション豊かになりそうですね。

さてスペックです。グーグル検索しても自分のツィートとかが表示されちゃうぐらい情報がなかったです(笑)。

アルコール度 15~16%
精米歩合 50%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくり、火入れ、加水あり

スペック的には非常によくあるタイプの吟醸酒ですね。百田が高精白向きに対して、こちらは汎用性が高い酒米なのでしょうか。似た立ち位置の酒こまちとの差別化が気になりますね。さすがにこの1本だけではわからないと思いますが、今後秋田の酒蔵がどう解釈していくか興味あるところです。

さあ、飲んでみますか。

◆独特の堅さもあって面白い

冷酒で注いでみます。ほ~、それなりに黄色く色がついていますね。ある程度熟していて、苦味成分が含まれている証です。百田の方は色がほとんどついていなかったので、差が興味深いですね。

香りはアルコールも低めなので穏やか。しかし、しっかりバナナっぽいフルーティな香りとやや青々しい心地よい香り。おそらく一回火入れでしょう。

飲みます。

ほほ~~~、こうきましたか!やさしい甘みに刺激をともなった酸味がドライな印象。これが秋田流の淡麗か!

甘さはしっかりあります。トロリとした舌触りが心地よい。ここらへんはしっかり秋田風で、新潟の淡麗辛口とかとは違いますね。

とはいえ秋田風の甘酸っぱい味わいかというとそうでもなくて、強い酸味が甘みを圧倒してドライな印象になります。これが刺激的なので、個人的には堅いイメージも感じました。なんかゴツゴツした感じ。しかし、美味しいんだなぁ。

◆地域限定酒米はマーケティングがキモ

ドライでややワイルドな味わいが楽しい1本でした。華やかな印象だった百田としっかり区別されていましたね~。50%精米で発売されたのも納得です。百田が山田錦対抗なら、一穂積は雄町対抗でしょうか?今後の展開が楽しみです。

日本酒は酒米で味の差が出にくいので、マーケティングで差をつけていくのが基本になると思います。上手くいってるなぁと感じるのは新潟の越淡麗、山形の酒未来ですね。ここは簡単ではないので、秋田の団結力に期待したいところです。がんばれ、秋田!

「爛漫 純米大吟醸 一穂積 R1BY」、最速で秋田の未来を味わえる1本です。見かけたらまず体験してみてください。





YouTube講義動画。今回は加水と原酒についてです。



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