写真 2020-10-21 20 09 17
味の傾向:
あの大手酒蔵がつくる若手メイン企画酒。熟れたりんごを思わせる甘くてフルーティな香りがほどよく漂う。アルコール度15%の原酒で仕上げた味わいは、酸も刺激も抑えたまろやかなスタイル。上品にまとまっており食中に最適だ。

僕の評価:70点/100点(おいしいけどマーケティングがダメ)

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みんな大好き大関をレビューしますよ!でもワンカップではないのです。「大関(おおぜき) 魁星 純米吟醸原酒 R1BY」であります。「かいせい」と読みますよ~。こちらは1000円で神奈川建一に酒を買わせる権利による購入依頼で買いました。スポンサードありがとうございました!

今年で2年目らしい商品で、大関の若手社員中心に企画された現代風の味わいの日本酒だそうです。すぐ思い浮かべるのは白鶴の別鶴や菊正宗の百黙ですね。どうやら大手酒蔵の古くさいイメージを打破するぜ!という企画のようです。


さっそくスペックです。アミノ酸度以外は公開されていてありがたいですね。なんか大手の若手企画酒は数値の公開度が高い印象です。

アルコール度 15%
精米歩合 60%
日本酒度 ー1
酸度 1.5
アミノ酸度 不明
純米、一回火入れ、原酒、吟醸づくり

15%の純米吟醸で原酒、という最近の地酒でよくあるスタイルを選んでいます。香りもカプロン酸系(りんごっぽい香り)を想像させますねぇ~。こればっかりは飲まないとわかりませんが。

日本酒度は低アル原酒らしくマイナス寄りですが、意外と甘くなさそう。-5ぐらいあってもよさそうですが。そして酸度も低い。これは甘酸っぱい系ではない予感です。さあ、どうか。

それでは飲みましょう。

◆まろやかでおいしい!でも地味!

グラスに冷酒で注いで、まずは色を見ましょう。む、けっこう黄色に色づいています。糖分が多い上に原酒なので、火入れによるメイラード反応(熟成で進行する反応)がよくわかります。ブドウ糖は間違いなく多いのでしょう。

香りをチェックです。おっ、明確にりんごを思わせる香りが出ています。想像通りですね!やはり大手酒蔵にとってはりんご系のフルーティさがモダンな日本酒のイメージなのでしょう。アルコール度15%なので、ほどよく強すぎず弱すぎずな印象にまとまっています。

ゴクリと飲む。

舌触り綺麗~~~~。刺激を最小限におさえたバランスのよい食中酒です!

甘さは強いけどそこまで目立ちません。そこそこな感じ。酸もアルコールによる刺激も少ないので、日本酒らしいトロリとした舌触りが感じられます。甘さが伸びやかに広がっていくようです。

丁寧につくられているのがよく分かる味ですね。ただ悪く言えば地味です。この良さをわかってもらうには、試飲してもらうしかないというお酒。これは宣伝で売りにくい。地酒なら地道に売っていけばいいですが、大手がインパクトある新商品として売るには向いてないなぁと思います。

◆マーケティングはしっかりやろう

いいお酒だけどマーケティング(宣伝)で損しているという商品でした。ここまで地味だと売りにくいでしょう。どうりで話題になってないはずです。大手ならもっとインパクトあってエッジの立った商品の方が向いています。企画も予算も足りなかったのかなぁと感じました。

あと、今回の1本は出荷から半年以上経っていまして、若干熟成が進んでいました。あまり時間が経っている商品は買わないほうがいいですね。興味ある方は来年の4月ぐらいに探すといいと思います。BYはしっかり確認しましょう。

「大関 魁星 純米吟醸原酒 R1BY」、お酒はいいけど宣伝が残念だった1本です。大関の次の一手に期待しています!


魁星の開栓動画です。楽しかったなぁ。