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味の傾向:鹿児島県の西酒造がはじめて販売する日本酒。お酒の色は澄みきって綺麗。清涼感あるフルーティな香りはメロンやピーチの印象。控えめでありつつもふくよかさのある甘味に、程よく軽快な酸味が混ざり合う。爽やかで軽い味わいのお酒だ。

合わせた料理:カツオのたたき+オリーブオイル、粉山椒

僕の評価:80点/100点(初めてでこのレベルとは驚き)

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2020年の9月ぐらいから日本酒好きの話題をさらったお酒をご紹介。「天賦(てんぶ) 純米吟醸 R1BY」です!なんと鹿児島県のお酒です。当ブログでははじめての紹介する県ですね。

天賦をつくる西酒造は、焼酎の宝山で有名な蔵元です。そこがいきなり日本酒をリリース!しかも噂では十四代の高木酒造が技術指導とのことで、日本酒マニア界隈はざわついたもんです。日本酒における高木酒造は、自動車におけるフェラーリみたいなもので、マニアは名前を聞いただけで無意識に姿勢を正しちゃいますからね~。

さて、スペックです。こちらも高木酒造ゆずりなのか、ほぼ非公開ですね。

アルコール度 15%
精米歩合 50%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくり、加水あり、火入れ

ごく普通の純米吟醸です。無ろ過でも原酒でも生酒でもない。ニューフェイスの蔵の新商品というと、わりと尖った仕様のお酒が多いですが、天賦は小細工なしの王道のお酒で勝負しにきています。すごい、いきなり横綱相撲ですよ。よほど自信があるのでしょう。

アルコール度15%に高木酒造の影響を感じ取れますね~。きっと食中でも単独でもいけるハイレベルなタイプでしょう。

さあ、飲みますか!

◆温度変化で表情の変わる吟醸酒

冷酒でグラスに入れてみます。おおっ、すごい透明度です。めちゃくちゃ綺麗な火入れですね~。もちろん加水による透明度の上昇もありますが、火入れのレベルの高さを感じます。いい設備持ってるんだろうなぁ。

香りはおだやかなフルーティといった印象。しっかりメロンやピーチの印象がありますが、すぐ感じにくくなるので香りの強さはほどほどといったところでしょう。食中酒らしい設計です。

飲んでみる。

むお!?冷やすと極上の舌触りの食前酒、温度を上げると軽快な甘酸を楽しめる食中酒だぞ!!!

今回は温度変化に感動したので、分けて解説します!!

まずキンキンに冷えた温度(5~10℃)で飲んだ場合。糖分たっぷりのトロトロの舌触りを楽しめます。これ、めちゃくちゃおいしい!やっぱり人間はこの感触に弱いです。日本酒の長所ですよねぇ。糖分多いと書きましたが、温度が低いので甘さは控えめです。これも嬉しい。

次に温度がそこそこ上がった状態(10~15℃)で飲んだ場合。こちらはグッと甘酸っぱさが増して、味わいが華やかになります。いかにも純米吟醸という感じですね。ただ酸味のせいで温度が低い時にあった滑らかさは消えてしまします。結果、単体で飲むと淡い印象で物足りません。しかし、これが食中でちょうどいい!どんな食事にもスッと馴染みます。アルコール度15%の面目躍如ですね。

◆こういうお酒を待っていた

食事しながら飲む派の僕としては、新規銘柄はどーにも苦手意識がありました。味わいが個性的なものが多くて、自分レベルのペアリング知識じゃ対処できないんですもの・・・。この天賦は誰でも楽しめる懐の深さを感じましたね。

しかし、1期目の時点でこの完成度、西酒造大注目ですねぇ。生産量も多く入手も楽と言うことないです。ラインナップも徐々に増えていくでしょうし、2期目も楽しみ!ぜひともこの路線で進んで欲しいです。

「天賦 純米吟醸 R1BY」、今年大注目のニューカマーです。お早めに体験を!








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天賦の開栓配信動画です。この時はよく冷やした状態だったので、舌触りに感動してますね。