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味の傾向:不老泉がつくる2年熟成の普通酒。香りははっきりとした漬物・カラメルの印象があるが穏やか。味わいも柔らかく、控えめな落ち着いた甘さにほのかな苦味や酸味が交じる程度だ。どんなシチュエーションでもリラックスして飲むことができるだろう。

僕の評価:70点/100点(ザ・常備酒)

◆◆◆

滋賀が誇る熟成のエキスパートをご紹介しますよ~。「不老泉(ふろうせん) 上撰 H30BY」であります。いわゆる普通酒ですね(純米酒などの特定名称を名のらないお酒のこと)。一升瓶2150円(税込)です。実に普通酒らしい値段ですね。ありがたや~。

不老泉と言ったら熟成酒でありまして、どのお酒も個性が強くて飲むのに一工夫必要な印象があります。この上撰ももちろん熟成しています。普通酒だって全力投球ですなぁ。

スペックですがほとんど不明です。まあ、ここはしょうがないでしょう。

アルコール度 15%
精米歩合 65%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
火入れ、アル添、加水あり、2年熟成

アルコール度15%と精米歩合65%に注目です。加水して醸造アルコールを添加した15%なので、お酒のエキス分が薄い軽い味わいが想像できます。吟醸づくりなしで精米歩合が低いので穀物感が強くなるはず。これを2年熟成するとどういう味わいになるのか。興味ありますねぇ。

飲んでみましょう。

◆全ての味わいがほどほど ほっこりするお酒

常温も捨てがたいけど冷酒で飲んでみましょう。お酒の色は、ちょっと黄色?というレベル。加水とアル添を考えれば2年熟成でもこんなものでしょう。予想通りという印象です。

香りはしっかり硫黄・漬物のような印象があります。さすが不老泉、容赦ない(笑)。ロウやサラダ油のようなイメージも。これは精米歩合の低さからくる香りですね~。しかし、そこまで強くないです。おちょことかで飲めば、そこまで気にならないでしょう。

飲んでみます。

ほおおおお~~~~~、味わいが落ち着いている!尖ったところがないまろやかで優しい味わいですよ。

基本の味わいはやはり香ばしい甘味なのですが穏やかです。そして酸味がすっごい少ない!これ、意外でした。不老泉って酸度が高い印象ですから。他にも苦味も刺激も目立たず、とにかくまろやか。まろい。

アル添からくる不自然な苦さもなく、すっと体に馴染む味わいです。いや~、こんなの常備酒にしちゃいたいじゃないですか。滋賀県の台所にはよく置いてあるんだろうなぁ。常温でも印象は変わりません。安定感抜群ですね。料理も選ばないし、言うことなし!

◆家飲み派はぜひ普通酒買ってみて

わかっている蔵がつくる普通酒は最高!というのを地で行くお酒でした。いや、めっちゃ穏やかやったなぁ。食事をしながらダラダラ飲むスタイルの僕には最適の1本です。晩酌の後半、酔いが進んだあたりで飲むのが素敵ですね。

こういうお酒に苦手意識がある方もいるかもしれませんが、日本酒に慣れてくると不思議と好きになりますよ。家飲み派でそれなりに量飲む方には特におすすめです。そろそろ普通酒生活、始めてみませんか?

「不老泉 上撰 H30BY」、日本酒レベルが上ったらぜひ試してほしい1本。いい晩酌を保証しますよ。





YouTube講義動画。今回は日本酒冷蔵庫のススメです。



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