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味わいの傾向:島根の銘酒・王祿の最高級品。香りは爽快感ありつつも複雑。カラメルのような、油脂のような、ヨーグルトのような・・・。味わいも激しい!酸味と苦味がピリピリきて大人の飲み物みたい。それでも甘味と旨味がたっぷりあるので飲みづらさは感じない。見事。

合わせた料理:パルミジャーノ・レッジャーノをまぶしたパセリサラダ

僕の評価:85点/100点(この味はめちゃくちゃ評価したい)

◆◆◆

さあ、島根のお酒をご紹介だぁ!「王祿(おうろく) 純米大吟醸 袋吊り斗瓶取り H30BY」であります。僕は秋田、山形、新潟、兵庫に続いて島根のお酒が好きなんですよ。県単位で味わいの個性がしっかりしてる産地はつい注目しちゃいますね。

どっしりして旨みたっぷりな島根の中でも、とびっきりに個性的なのがこの王祿。するどい苦味を武器にグイグイくる酒質は唯一無二です。もちろん僕も大ファンです!

今回は10万円の給付金もらったから、高いお酒買って酒屋に貢献しちゃうぞ!とばかりに一番高い王祿を買いました(笑)。2年に一度だけリリースされる35%精米の純米大吟醸であります。お値段4合瓶で5555円(税込)。正直安いぐらいです!

さあ、スペックです。見るだけで楽しいですよ~(酒カス末期)

アルコール度 17.5%
精米歩合 35%
日本酒度 +2.2
酸度 2.0
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくり、原酒、生酒、無ろ過、2年熟成、YK35

注目ポイントは2つ。高精白の高級な大吟醸であること。そして、生酒のまま熟成する生熟であることです。

精米歩合の高い純米大吟醸は珍しくないですが、そのお酒を生熟するとなると話は別です。非常に難易度が高い上にどういう味わいになるか想像もつきませんね。糖分をたっぷり残したままの低温熟成ですから、出荷後の管理も大変な逸品です。いやあ~、緊張するなぁ。

飲んでみましょう。

◆上品さと激しさが同居する味わい!

当然冷酒でグラスに注ぎます。うん、うっすら濁ってますねぇ。無ろ過です。しかし、無ろ過のまま2年熟成ってのもすごくないですか?不純物が残っていると予想外の味や香りが発生するって言いますし。王祿半端ないなぁ。

香りを確認します。うおお、濃密!焦げた甘い香り、油っぽい印象、ヨーグルトのような酸っぱさ・・・めちゃくちゃ複雑ですね!でも嫌な感じはまったくなく整っている。うひょ~、期待が高まる!

飲んでみる。

ぐおおおおおおッ、なめらかでトロリとした甘い舌触りがあるかと思えば、ギンギンに刺激的な苦味と酸味も混ざっているという、味わいのビックリ箱みたいなお酒だ!

磨きまくったお米でつくられたお酒だということはよくわかります。雑味のないきれいな甘さがその証拠です。しかし、そこにピリピリくる酸味にバリバリくる苦味を混ぜますか!?最高だろ!

この王祿・純米大吟醸がすごいのは、それだけの味をバランスよくまとめ上げているところです。なんでこんなに飲みやすいの?わけがわかりません!

これこそが王禄が熟成に力を入れる理由なんでしょうね。新酒の状態ではきっと刺々しくて飲めたものではなかったであろうお酒です。いや、参った!

◆個人的注目度がうなぎのぼり

いやー最高でした、王祿。甘味と旨味に酸味も苦味あるお酒なので料理が難しいのですが、パセリの苦味が相性いいです。王禄の苦味と混ざり合うんですよね。そこにハードタイプのチーズをすりおろしてかけたら大勝利でしたよ。チーズの旨味が無限増殖を起こしてやばかったです。

それなりに前から王祿飲んでますが、最近そのヤバさにぞっこんです。どうしてあんな味になるのか、その秘密を知りたいですね。そして料理との相性もバリバリ探りたい!今期一番の研究対象ですッ。

「王祿 純米大吟醸 袋吊り斗瓶取り H30BY」、王禄のフラッグシップにふさわしいミラクルうまい1本でした。王祿ファンは正座して飲んでください!





YouTube講義動画です。今回はプレミア酒がプレミアムである理由についてです。



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