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味の傾向:フランスのお米を使って現地で醸した正真正銘のフランス産日本酒だ。甘酸っぱい香りはブドウのようだが香りの強さは控えめで淡い印象。味わいは甘みたっぷり酸味たっぷりなスタイル。低アルゆえに刺激が少ないが後味は複雑で独特の印象が残る。

合わせた料理:セロリとココナッツのおひたし

僕の評価:75点/100点(食事前提のお酒なので組み合わせ次第だ)

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今回ご紹介するお酒は、なんとフランス産の日本酒です!「wakaze(わかぜ) THE CLASSIC CRAFT SAKE R1BY」であります。いや~、ついにこんな日も来るのですね。今回もフォロワーさまにスポンサードしていただき購入したお酒となります。

wakazeは日本酒ベンチャーでして、いくら頑張っても酒造免許がおりない日本から飛び出して、フランスに酒蔵作っちゃうブッ飛んだ会社です。一番最初のお酒がクラウドファンディングされた時、応援したのおぼえてますね~。感無量っす。





このお酒は日本酒に馴染みのない人でも最初の入口として体験してもらいたい商品として開発されたそうです。ごくスタンダードなスタイルの日本酒かと思ったら、アルコール度13%を筆頭にさまざまな要素がてんこ盛りのお酒でした!

さて、詳細を見てみましょう。

アルコール度 13%
精米歩合 92%
日本酒度 ー36
酸度 4.0
アミノ酸度 不明
火入れ、原酒、純米、吟醸づくり、ワイン酵母、白麹、硬水仕込み、樽貯蔵

どんだけ要素盛ってるんじゃい!(笑)日本酒好きな人からするとやりすぎなまでのスペックです。あえて注目するなら精米歩合92%でしょうか。超低精白となります。お米を磨いていいないため脂質という成分が多めに残った状態で発酵したはずです。そのあたりがどう影響するのか、要注目ですね。

◆強い酸味と複雑な後味に酔う

冷酒でそそいでみましょう。お、色が濃い!黄緑色ですね~。これは原酒であることと精米歩合が低いことが原因です。黄色が混じっているのは火入れの影響でしょう。

香りは・・・う~ん、ぶどう??甘酸っぱい雰囲気はありますが、香りの強さが低すぎてあまり明確な印象が取れません。アルコール度が低いからこんなものでしょうか。少なくとも吟醸酒系の派手な香りで売ってく商品じゃないのでしょう。

さて、飲んでみます。

うおおおお~、酸味強い!甘味もたっぷりこってり!後味に複雑味を持たせている手の込んだお酒ですね。クラフト感あふれるって感じです!

いわゆる甘酸っぱい系の低アルコール原酒な味わいなのですが、とにかく酸味が鋭くて口当たりからびりびりきます。これは通常の日本酒には存在しない白麹由来のクエン酸(レモンの酸)の影響ですね。

個人的には後味がポイントですね。苦味、渋味、酸味、甘味が混じり合って独特のコクをつくっています。ワイン酵母や白麹、樽貯蔵、硬水、低精白などがいい影響を与えているのでしょう。ここが好みかどうかが評価の分かれ目ですね。

◆研究が進むことを期待

荒削りながら主張がしっかりしていて、志の高さを感じる1本でしたね~。よきかな。低アルコール原酒特有の弱点(甘さが妙に突出してバランスが悪い)もあるのですが、日本酒としてはセオリーから大きく外れているお酒なので、お酒単独で評価するのは意味ないかなと思います。料理との組み合わせしだいでしょう。

低精白の日本酒(=脂肪酸エステルが多い)との相性ではココナッツミルクが抜群なのですが、セロリとココナッツのおひたしは最高の組み合わせでした。香り付けに使ったハーブ(今回はタイム)の香りが口内で爆発する!!いやー、驚いた。興味ある方はやってみてください。このお酒の可能性の1つでしょう。

「wakaze THE CLASSIC CRAFT SAKE R1BY」、wakazeの前人未到なチャレンジの成果です。その思いにはせて楽しんでください。