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味の傾向:
R2BYから杜氏さんが交代した千葉の酒蔵のお酒。とろっとした甘味にしゅわしゅわピリピリした刺激が加わる元気がいい味わいだ。とにかく飲んでて楽しいが食事を邪魔することもなくハイレベルな出来。これはすごい。

合わせた料理:自家製しめ鯖

僕の評価:80点/100点(完全に好み。シュワシュワしてドライとかずるいでしょ)

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今回は千葉県のお酒です!「鳴海(なるか) 白ラベル 特別純米直詰め生 R2BY」です。意外と知られていないですが千葉県は有数の日本酒生産地。全国15位(H30年)の実力を持っているんですよ~。

こちらの鳴海をつくる東灘酒造は昨年に杜氏さんの退職よる休業の危機にあったのですが、ぎりぎりで新しい方が見つかって酒造りを継続できたという逸話があります。しかも、その新杜氏さんが明利酒類や大矢孝酒造で腕をふるってきた菊池杜氏と聞いて2度びっくりです(飲んだ後に知りました)。うちのブログでも水府自慢をレビューしましたね。



酸を上手に使った酒造りにファンも多い菊池さんが鳴海を手掛けたらどうなるかワクワクしちゃいますね。しかも鳴海は直詰め(お酒を搾ってすぐ瓶詰めする手法。二酸化炭素が酒の中に残り、特有の刺激感が生まれる)にこだわる銘柄。こりゃー、興味しかありませんな!

スペックを見ます。

アルコール度 16%
精米歩合 60%
日本酒度 +4前後
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、生酒、吟醸づくり、加水あり(?)、直詰め

酸度などがわからないので判断はしづらいですが、そんな極端じゃなさそうなお酒のようです。ごく普通の純米酒のような印象。しかし、そこは菊池杜氏ですから、どう攻めてくるのか楽しみです。

飲みましょう。

◆奇抜な味わい、しかし絶妙なバランス!

冷酒でグラスにそそいで色を確認します。うおお、グリーンのトーンが鮮やか!しぼりたて生酒的な色合いですね~。原酒っぽいんですがどうなんだろう?お米の精米歩合がそこそこ低いのも色合いに影響していそうです(磨いていないお米でお酒をつくると、お酒の色は濃くなりがちです)。

香りを確認です。おおっと、フレッシュで清涼感ある心地よい香りが漂います。いいですねー!お酒の活きがいいイメージを印象づけてくれます。しかし特別純米らしく、香りの強さ自体は弱めです。食事にも無理なく合いそう。

飲みます。

どおおおおおッッ、なんというピリピリバチバチくる舌触り!元気がいいお酒とはこれのことだ!!

すんごい、おいしい!

ピリピリくるアルコールの舌触りに、微炭酸の刺激が混ざり合って若々しさ抜群です。さらにシャープな酸味と苦味も加わるので、後味のドライな印象は強烈。

じゃ、辛いばかりの極端な味かと言うとそうでもない。飴のようなトロッとした甘さがあって、上手にバランスが取れているのです。アルコールもほどほどなので、17%以上のお酒にありがちな飲みづらさもありません。

すーげー、なにこれ。こんな日本酒つくれちゃうんだ。苦味が特徴的なので万人向けとは言えませんが、好きな人はめっちゃハマるやつです!

◆日本酒は作り手次第

移籍後最初の造りでこの完成度、すげーな。さまざまな味が組み合わさってこのお酒の印象ができあがっているのですが、この味をイメージしながら逆算して酒づくりを設計するなんて・・・どうやってやるんですか?やはり菊池杜氏さんはすごいです。

かなり僕好みの味なので得点が高いですが、個性的なので人は選びます。そこはご注意を。酒屋さんに聞いたら、人によっては苦い水という感想だそうですよ(笑)。食事との相性はかなり広いです。甘味が強すぎず、後味すっきり、アルコール度も高くないので、僕が試したようにしめ鯖などの魚介類でも十分楽しめます。

「鳴海 白ラベル 特別純米直詰め生 R2BY」、元気のいいジューシーな美酒、めっちゃおすすめです!