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味の傾向:3年ほど蔵元で熟成された40%精米の純米大吟醸酒。刺激的だがきれいな印象の酸っぱさが香りの主役。味わいも酸主体だが旨味と混ざり合い雑味なくまろやか。常温熟成でこんなととのった味になるとは驚きだ。

合わせた料理:カップ塩焼きそば、チョコレーズン

僕の評価:90点/100点(玄人ならこの良さがわかるはず)

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今回は福井が誇るリーサルウエポン・舞美人を紹介だぁ!「舞美人(まいびじん) 純米大吟醸 無ろ過生原酒 H29BY」です。蔵元の最高級品になります。

あ、写真のラベルが汚れていますが、これが僕が自宅のワインセラーでカビを繁殖させてしまったせいです!元々は綺麗でしたよ!

日本酒好きな人に言わせると、舞美人は「酸っぱい、酸っぱすぎる」とか「穀物感がありすぎて、すでに穀物」といった風に表現されますね。僕もおおむね同意です。

そんな舞美人がつくる純米大吟醸は、精米歩合40%の山田錦を使ったもので、無ろ過生原酒・蔵元で3年熟成(おそらく常温)という仕様です。無ろ過、原酒はわかりますが、大吟醸の生を熟成とか・・・。味が想像つきませんよ。

スペックです。数値はほとんど不明ですね。

アルコール度 17~18%
精米歩合 40%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくり、無ろ過、生酒、原酒、3年熟成(常温?)

もう何もわかりません(笑)。まあ、舞美人なので酸っぱくて旨味(=アミノ酸)たっぷりなんでしょうけど、それが高精白の大吟醸ではどう表現されるのか。これはもう飲んでみるしかないですね!

◆まるで濃厚な白ワインみたい!?

さあて、やや冷やして(15度ぐらい)グラスに注ぎます。おおう、しっかり色づいている。温度高めで熟成した証ですね。3年熟成なので茶色というより黄金色ですが、苦味を予感させる色です。

香りをチェック。酸っぺぇ(笑)。かなーり酸っぱいです。しかし、意外にも不快じゃない。ずっと嗅いでいたくなります。これは精米歩合の影響かな?(精米歩合50%を超えると不要な香りが激減するのです)

飲みます。

うををををををッッ!?なにこのまろやかで美しい酸味!旨味と混ざりあって極上の味だぞ!!!

うっそ、何これ、想像した味と違うぞ!

いや、予想通り強烈に酸っぱいんですよ。しかし、その酸っぱさの印象が違う。エレガントで雑味がない!これが精米歩合40%の力か。すげぇ!

カップ塩焼きそばと飲んでみたのですが、塩味が加わるとお酒の甘味が出てくるので、さらに天国です。う、うまい。

次にチョコレーズン。今度はチョコの甘味がお酒の苦味に映えてたまらない!これはレーズンの酸味がお酒の酸味と橋渡ししているのがポイントです。おいしい!

◆精米ってやっぱりすごい。

ひさびさに高精白のお酒の面白さを味わいました。最近の日本酒の流れとして、あまりお米を削らないというのがありますが、やっぱり削ったお酒も凄いよと再認識しましたね。あの舞美人がこんなにきれいになるとは思いませんでした。

人を選ぶお酒ではありますが、まったく日本酒知らない人と日本酒詳しい人の両方に飲んでもらいたいなぁ。全てが規格外で日本酒の枠に収まらないお酒です。でも日本酒、そこがいいんですね。

「舞美人 純米大吟醸 無ろ過生原酒 H29BY」、これぞ精米の技です。チャレンジする価値ありますよ!

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