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味の傾向:
新政定番の火入れ純米酒。香りはさまざまな匂いが混ざり合い、まるで洋梨か桃のようなスタイル。味わいは豊かな甘味を軽快な酸味が支える心地よいもの。アルコール度低めの軽いお酒なのに香味がぼやけていない。見事。

合わせた料理:りんごとチーズのマヨネーズ和えサラダ

僕の評価:80点/100点(新政入門におすすめ)

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さあ、みんな大好き新政のお酒をレビューしますよ!「新政(あらまさ) ラピス R1BY」でーす。カラーズというシリーズのお酒で、純米酒の火入れ(加熱殺菌済み)となります。

他のカラーズのレビューはこちら。




今年(2021年)は新政の生酒銘柄であるNo.6が10周年ということで注目が集まっていますが、自分はNo.6などはそうそう買えない情弱な新政ファンなので、買いやすいラピスなどのカラーズのほうが愛着があります。しょぼい人間にも優しいのがカラーズなンですよ!

それにしても美しい瓶のデザインです。微妙な変更はあったとしても、ほぼこの形のまま何年も販売されてきたのが信じられませんね。新政はデザイナーを専属で雇うほどデザインにこだわる酒蔵なのですが、おかげで買った時の満足感が違います。こういうの大切ですよね。

さて、スペックです。もちろん数値は不明です。残念。

アルコール度 14%
精米歩合 55%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、原酒、火入れ、木桶仕込み

アルコール度14%の原酒ということで低アルコール日本酒のカテゴリーに入ります(15%未満の日本酒は低アルコールとされます)。甘さが強いのは想像できますが、それだけで終わらないのが新政です。

飲んでみましょう。

◆すんごく軽いのにキリっとした甘酸っぱさ!

しっかり冷やしてグラスに注ぎます。おおっ、細かい酒粕がお酒の中で舞っています。無ろ過ですね~。スノードームみたいな綺麗さがあります。お酒の色自体はほんのり黄色ですね。火入れの証拠です。

香りを確認。う~ん、素晴らしい!!まるで洋梨ですな!色んな香りがピタリと混ざりあってフルーツのアロマを作り出しています。アルコール度数低いのにこんなにハッキリ香るんだからすごいですよ。

飲みましょう。

うひょ~~~~~軽やかな甘酸っぱさ!!それでいて味わいは甘みと酸味のコントラストがしっかりしていて飲みごたえがある!

まさにザ・新政ですね。こんなにアルコール度低いのに1つ1つの味がしっかりしています。これってすごいんですよ。

アルコール度は日本酒の味わいの骨格なので、下げすぎると全体の香味がぼやけます。簡単に言うと糖分の甘みが強くなりすぎ、単調な味になりやすいのです。

しかし、新政はそんなことありません!どうやっているのかまだわからないのですが、強めの甘味に負けない明瞭で綺麗な酸味、さらに渋味などが絶妙なバランスを取って飲み手を楽しませてくれるのです。

ここは油を使わない酸味のある料理がベストということで、りんごとチーズを刻んでマヨネーズで和えたサラダを合わせました。お酒の酸味と寄りそい、チーズの旨味が口の中に広がります。パーフェクトっすよ。



◆ぜひ飲んでほしい新政の入門酒

いや~、すばらしい1本です。誰にでも1度は飲んでいただきたいですね。もちろん好みはあると思いますが、この軽さとフルーティさ、嫌いな人が珍しいぐらいの味でしょう。このラピスが中庸なら、エクリュはドライ、コスモスはスィートといった印象です。いろいろ飲んでみてください。

R2BY(2021年に出荷されるお酒)のラピスはアルコール度が13%になるそうです。さらに度数が下がるということで、ますます他の日本酒との差が広がります。どこまで新政は行くのか、日本酒ファンとして目が離せませんね。

「新政 ラピス R1BY」、新政の中でも入手しやすいスタンダード商品、しかしそのテイストは非凡そのものですよ。