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味の傾向:秋田の高清水がつくる生原酒。香りははっきりとしたアルコールの匂いが目立つが強くはない。味わいは19%の原酒らしく刺激的だが、甘み旨みがまろやかにカバーして、コクがありつつも飲みやすい酒質に仕上がっている。

僕の評価:70点/100点(上手な新酒はこういうやつ)

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さあ、2回連続の秋田酒紹介ですが、当ブログでは珍しくもなんともないです!「高清水(たかしみず) 新酒 初しぼり R2BY」であります。前回は通年商品でしたが、このお酒は冬に発売される季節限定商品です。



高清水が(お酒の)新年最初に仕込む日本酒だそうでして、例年の蔵開きでは振舞い酒として親しまれていたそうです。寒い秋田で飲む濃密な新酒はきっと素敵なんでしょうね~。

商品のタイプとしては、醸造アルコール添加かつ生原酒のアルコール度19%日本酒です。こういう仕様のお酒、よく新酒としてつくられてます。個人的には新潟の酒蔵に多いなぁという印象ですね。19%でもアル添なので、飲みやすいこと多いんですよ。

さあ、スペックです。もちろん高清水なので全公開です。

アルコール度 19%
精米歩合 60&65%
日本酒度 +1
酸度 1.7
アミノ酸度 1.8
醸造アルコール添加、吟醸づくりなし、原酒、生酒

日本酒度、酸度、アミノ酸度は前回レビューした純米酒と似ていますね。大きな違いはアル添、生酒、アルコール度19%です。普通に考えると、爽やかなハーブ感が加わったフレッシュでパンチのある骨太酒に想像できますが、さてどうでしょうか?

◆舌にピリピリくるが心地よい!

こちらも前回飲んだ純米と同じく常温でグラスにそそいでみます。色はやや黄色かな?という感じ。意外なまでに生酒の印象がないです。これはアミノ酸が高いせいなのかな?アミノ酸が高いと火入れされていなくとも黄色が目立つのです。

香りをチェック。むむ、こちらも意外な感じ。香りが落ち着いています。さすがにアルコール度19%なのでお酒っぽい匂いは強いのですが、生酒らしい青っぽい香りもなく地味にまとまっています。ふーむ、まるで火入れ酒のようですよ。

飲みます。

生原酒らしいワイルドな刺激と苦味酸味!しかし、滑らかな甘味旨味のおかげで想像以上に飲みやすいぞ!

アルコールの刺激がしっかりあるけど、それを上回る甘みと旨みでフォローできているお酒です。結果、すいすい飲めますね。さすが高清水、酒づくりが上手い!

これに加えて醸造アルコールの添加があるんだから、より一層飲みやすくなっています(アル添をすると滑らかさが増すのです)。これなら食中酒としても便利でしょう。

公式HPのおすすめ料理を見ると「しょっつるの貝焼き、豚の角煮、うなぎ蒲焼き、しゃぶしゃぶのゴマダレ」と出ています。もう、味付けの濃いし甘じょっぱいやつどんとこい!というラインナップですね。この飲みやすさと力強さから考えれば、当然といったメニューでしょう。

◆長く支持されるお酒には理由がある

やはり蔵の定番商品はたまりませんねぇ~。この初しぼりがいつから発売されているかは知らないのですが、けっこうな期間毎年発売され続けているのでしょう。やはり消費者の厳しい吟味に耐えてきた商品は光るものがありますね。

最近の地酒は商品サイクルが早く、新しい商品がどんどん出ます。それはそれで僕らマニアは楽しいのですが、うちの蔵の定番商品はこれ!というのも、酒蔵さんには積極的に育てて欲しいなぁと思います。そういう商品こそ友達に勧めたいですよね。

「高清水 新酒 初しぼり R2BY」、激しさと安定感が絶妙なバランスで同居する良酒でした。ぜひ飲んでみてください!