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味の傾向:東京の醸造所でつくられたどぶろく。香りは爽やかなハーブの印象があり涼しげ。味わいは強烈なシュワシュワ感と甘さ控えめでシャープな苦味酸味が合わさりスッキリ。今までのどぶろくとは印象が全然違うぞ。

合わせた料理:ブルーチーズハムカツ、氷コーヒー(カクテル)

僕の評価:85点/100点(スタイリッシュ。飲むだけでかっこよくなれそう)

◆◆◆

今回はなんと東京のお酒です!「木花之醸造(このはなのじょうぞう) LAB04 R2BY」であります。清酒ではなく獨酒、どぶろくですね。

木花之醸造所は東京の浅草にあるどぶろく醸造所で、飲食店併設型のいわゆるマイクロブルワリーというスタイルで営業しています。ビールではおなじみの形式ですね~。

木花之醸造はなんと若手醸造家の養成所という側面ももっていて、今回のお酒をつくったのは、2021年に秋田で起業する「稲とアガペ」の岡住さんです。今後はまた違う方が醸すお酒を楽しめるわけですね。いや~、素晴らしい志です!かっこいい!

こちらのお酒はどぶろくではありますが、日本酒と同じく三段仕込みを行い清酒用酵母を使っている凝ったつくりになっているそうです。さらにこのLAB04は生もと仕込みということで、通常のどぶろくとは異なる贅沢なお酒となっています。どぶろくの一般的なイメージである安酒とは全く異なるんですよ!

さて、スペックです。数値的なものは公開されていませんね。

アルコール度 13%
精米歩合 90%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、火入れ、吟醸づくり不明、加水不明

どぶろくを飲んだ経験が少ないので判断しにくいのですが、だいたいのどぶろくが精米歩合高め(お米を磨いていない)で低アルコールになるみたいなので、ごく普通といったスペックですね。やはり飲んでみないとわかりません!

◆元気いっぱいな炭酸飲料!

しっかり冷やして冷酒でそそぎます。うむ、めっちゃにごっている(笑)。まー、どぶろくの見た目ですね。外見では判断できなさそうです。

香りを確認。おお?爽やかで涼し気な印象だ!どぶろくらしくお米の香りがありますが、それ以上に青っぽい感じ、スーッとする感じが強いです。まるで日本酒の生酒みたい。

飲みます。

ぬおおおお、めちゃくちゃシュワシュワしている!酸味苦味のすっきり感と相まって、まるで炭酸飲料みたい!

すげぇ!なんだろう、こう、単純にかっこいい味なんです。今までの素朴な印象のどぶろくとは違う、スタイリッシュなお酒です!

これはおしゃれなお店で提供されたいお酒ですよ。木花之醸造所には行ったことがないのですが、写真見るかぎりモダンなインテリアの飲食店のようです。きっと似合うんだろうなぁ~。

合わせる料理はブルーチーズハムカツ(GEM by moto直伝)。ハムカツの旨味と苦味がどぶろくのクリーミーさにがっちり組み合いとうんでもない相性を見せます。好き!

さらにはカクテルにもしちゃって、アイスSAKE珈琲です。凍らせたコーヒーをどぶろくに入れるだけ。できあがるのは米で醸したカフェラテ。くあああー、これも最高!



◆新しい価値が生まれている

どぶろくのようなその他醸造酒で新規酒蔵を開業するのは、今はフランスで酒づくりをしているwakazaあたりから話題になり始めましたが、清酒の免許が取れないがゆえの苦肉の策でした。しかし、このLAB04を飲むと、そんな後ろ向きな印象はまるでないですね。

このLAB04は720mlで2750円(税込)です。日本酒の相場からすれば純米大吟醸の高いお酒クラスでしょう。それでも売れているのは、今までにない価値がこのお酒にあるからです。それこそが日本酒業界に必要なものなのでしょう。

「木花之醸造 LAB04 R2BY」、新しい価値に出会える素敵な1本でした。今後も楽しみです!






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