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味の傾向:15400円の山口県産ラグジュアリー日本酒。香りはパイナップルを思わせる芳醇でフルーティなタイプ。味わいは上品で滑らかな甘味をたっぷり楽しめ、後味はしっかりした苦味が余韻に浸らせてくれる。いくらでも口の中で味わえるスタイルだ。

合わせた料理:うに味噌クリームチーズ、うに丼

僕の評価:製造元からの頂き物なので未採点。更なる飛躍に期待。

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さぁ、きたきたー!「Forbul(フォーブル) 鷹ノ目 R2BY」のご紹介です。当ブログでは2度目のレビューでして、今回のお酒は2021年にリニューアルした新バージョンです。今回も製造元さまから直接いただきました。ありがとうございます!

前回のレビューはこちらです。


Forbulは日本酒の新しい可能性を創り出すことを目指したベンチャー企業です。鷹ノ目はその目的を実現するために生まれた商品。お値段は送料・税込で15400円(720ml)となっており、製造は山口県のはつもみぢが担当しています。

15400円!?ってびっくりしますよね~。最高級品でも5000円がいいところの日本酒において1万円オーバーとは!しかも販売しているのはベンチャー!

この価格設定、いや価格戦略にはいろんな意味が込められていると思います。そのあたりについては後半に自分なりの考えを書いてみます。とりえあず一番気になる味を確認しましょう!

スペックです。非公開を基本としていますよ。

アルコール度 16%
精米歩合 不明
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、生酒、吟醸づくりあり、原酒、無ろ過

精米歩合まで不明なので、さすがに味が想像できません。アルコール度16%なので、お酒をメインにして飲むのに向いているということぐらいはわかりますね。このあたりは製造元の考え方なのでしょうがないです。代わりに味の特徴が3つラベルに表記されています。

1:パイナップルのような香りと甘み
2:心地よい爽やかな酸味
3:オレンジの皮のような軽やかな苦味

ふむふむ、わかりやすいですね。実際はどうなのか、飲んでみましょう!

◆華やかな果実の香りに透明感のある滑らかさ!

冷酒でグラスにそそいで色を見ましょう。おおう、お酒の表面の照りが綺麗です!色はほんのり黄色って感じですね。生酒ですが色がついているので熟成でしょうか。あと泡が多少あるような。しぼってすぐ瓶詰めしたのかな?

香りをチェック。おお!パイナップルだぁ。甘~い果実香ですよ。この吟醸香は実にわかりやすいです。他に邪魔をする匂いもないですし、だが飲んでも華やかな印象を感じるでしょう。

飲みます。

ふおおお、舌触りがトロットロのフワッフワ!柔らかい感触がたまりません。いくらでも舌の上で回せますよー!

むちゃくちゃ滑らかな味わいです。僕が日本酒で一番おいしいと感じるのがこの滑らかさですね。まるでハチミツのようですよ。

この滑らかさに綺麗な甘みがのります。これがおいしくないはずないですね!雑味はまったくありません。

後半は苦味でフィニッシュするスタイルですが、嫌な感じはしません。甘みが十分あるからバランス取れているんですね。お見事。

こういう華やかな甘いお酒には雲丹だ!ということで、うに味噌クリームチーズ(味噌和えのうにをチーズの上にのせる)とうに丼に合わせてみました。

意外なまでにマッチしたのはうに丼でした。うにはともかくご飯にこの甘いお酒は微妙かなぁと思ったのですが、馴染みました。とろけるうにがご飯とお酒に混ざって・・・最高!でしたよ。



◆誰に日本酒を届けるのか

この素晴らしいお酒は僕らのようなマニアのためではなく、高価な商品には価値があると理解している層に向けてものです。日本酒のすばらしさを外へ向かって提案していくための商品なのですね。この値段にはそういう戦略的な意味があるのでしょう。

この値段を高いと感じる人はもちろんいると思います。でも、価格が妥当かどうかは市場が決めるものです。そして、鷹ノ目が味以外の価値をどれだけ創造できるか?今後が楽しみですね。

「Forbul 鷹ノ目 R2BY」、ラグジュアリー日本酒という新シ市場にチャレンジするお酒です。ぜひ見守ってください!