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味の傾向:蔵元から発売される新年最初のお酒。香りはフレッシュなハーブの印象満載でいかにも新酒という感じ。味わいはピリピリ・ピチピチした刺激に爽やかな酸味と苦味が心地よいドライなタイプ。好きな人にはたまらない味だろう。

合わせた料理:チーズリゾット、ツナマヨごぼう

僕の評価:70点/100点(新酒はこうでないと!)

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はい、当ブログの定期更新、秋田酒の紹介です!「角右衛門(かくえもん) 直汲み 純米しぼりたて生酒 R2BY」であります。福小町という銘柄でも有名な木村酒造さんのお酒です。

こちらは毎年12月ごろに発売されるお酒だそうでして、いわゆるしぼりたてというジャンルの日本酒です。できたてホヤホヤのお酒はまだ舌触りも荒く、それがピリピリと刺激的でたまりません。冬はしぼりたてを飲まないと始まらない方も多いのではないでしょうか?

お酒っていうのは世界的に見て熟したものが好まれるものですが、その点から見ると日本酒のしぼりたては面白いですねぇ。この時期のお酒が何より好きという方もいらっしゃるでしょう。やはりたっぷりと糖分とアミノ酸が含まれている日本酒は、非常にユニークなお酒なのでしょうね。

この角右衛門は蔵元最初のしぼりたてのお酒だそうでして、直汲みというフレッシュさを最大限にする瓶詰め方法を採用しています。まさに蔵元直送本生ですね!

スペックを確認しましょう。

アルコール度 16.5%
精米歩合 60%
日本酒度 +4~+5
酸度 1.5
アミノ酸度 不明
純米、生酒、吟醸づくりあり、原酒?、直汲み

日本酒度普通、酸度普通、アルコール度やや高めという、最近の東京向きのお酒に比べるとごくごくスタンダードな数値に感じられます。原酒かどうかは不明なのですが(直汲みで加水ありってあるのかな?)、かなり中道的な味わいを予感させますね。

飲んでみます。

◆ドライな新酒は塩っぱい料理にサクッと合う

まず色ですね。冷酒でグラスにそそぎます。むむ、色が濃い!黄緑色がハッキリ出ています。こりゃ原酒ですかねぇ。無ろ過かもしれません。熟成はほとんどしていないのに黄色が混ざっているのは、アミノ酸度が高いからかもですね。

香りです。うむ、しぼりたてって感じィ!爽やか~な青い香りがします。フルーティでもありますね。でも涼しげなフルーティといった感じ。甘い香りは控えめなので、お酒も甘くなさそうです。

飲みます。

ピチピチした舌触りが刺激的で心地よい!酸味と苦味ですっきり締めているドライな純米酒だ!

基本に忠実なしぼりたてですね!こういうドライなピチピチ酒は僕の好みですよぉ。

甘さは十分にあり、辛口酒という印象はありません。しかし、生酒特有のピチピチした刺激感に強い酸味と苦味が混ざるとスッキリした印象に。いやぁ、好きだなぁ。

こういうタイプは塩っぱいもので甘さを引き立てる!というわけで、チーズリゾットとツナマヨごぼうに合わせてみました。うむ、お酒の甘みがグンと増す!

パーフェクトな組み合わせではありませんでしたが、よかったです。ぜひ、いろいろな塩気がある料理で試してみてください。



◆季節の風物詩

基本に忠実な冬のお酒でした。秋の熟したお酒からこの角右衛門みたいなフレッシュなお酒に切り替わると、冬が来たなぁって感じますよね。やはり四季の移り変わりは日本の心です。日本酒にこういうよさがいつまでも残るといいですね。

小ネタですが「しぼりたて」と「新酒」には明確な違いがあって、今年の収穫米を使ったお酒だけが新酒と名のれるそうです。ただ、現代の貯蔵技術はすごいので、去年のお米でお酒をつくっても劣化等の問題は起こらないそうですよ。

「角右衛門 直汲み 純米しぼりたて生酒 R2BY」、しぼりたて感満載の良酒でした。冬にこたつで一杯やるのにふさわしいですよ~。