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味の傾向:秋田の酒蔵がつくる特別仕様の本醸造。香りは濃厚なフルーツの香りに強いハーブの印象が混じるインパクトのあるタイプ。味わいはずっしり甘くジューシー。その重い甘みを酸味苦味が支えてバランスを取っている。お上手。

合わせた料理:生ハムポテトサラダ

僕の評価:80点/100点(濃厚な甘味大好きな人はぜひ飲もう)

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さあさあ、いつもの秋田酒のご紹介だよ!「出羽の冨士(でわのふじ) 特別本醸造 生&袋吊りおりがらみ生 R2BY」です。今回は2本同時にレビューですよぉ。

関東では珍しい銘柄です。去年火入れの同じ商品をレビューしていますね。


今回は生酒バージョンなのですが、さらにそのお酒を袋吊り(手間のかかる高級酒のしぼり方)にしたおりがらみも同時に飲みます。同じお酒のしぼり違いとか、マニアックにもほどがありますね!(笑)

とはいえ、日本酒が発酵した後に行われる工程であるしぼりは重要でして、かなり味わいに影響があるんですよ。まだ自分も理解していない点が多いのですが、飲んだままの感想を書いてみようと思います。

スペックです。同じお酒のしぼり違いなので、数値はどちらも一緒です。

アルコール度 16%
精米歩合 麹米50%/掛米55%
日本酒度 +2
酸度 1.6
アミノ酸度 0.7
醸造アルコール添加、吟醸づくりあり、加水あり、生酒

日本酒度は低めですがそこまででもないですね。酸度も普通。逆にアミノ酸度が非常に低いので、すっきりした味わいも期待できそうです。あとはアル添がどう影響するのか、観察しましょう。

◆むせ返るフルーティさ!

冷酒で注いで色を確認です。どっちも澄んでいてきれい・・・っておりがらみ違うんかーい!どうやら袋吊りが上手すぎて、おりがほとんど残らなかったそうです。ほぼどちらも同じに見えますね。

香りをチェック。おお~~!どちらも濃厚な完熟リンゴやマンゴーの香りです。こりゃまた瓶の見た目から想像できないぐらい芳醇なタイプですね。しかも生酒なので、特有の青っぽい爽快な匂いが混ざっていい感じです。これ好きな人多いだろうなぁ。

飲みます。

うおお、ずっしりくるヘビーな甘さがたまらない!それでいて後味は軽快、杯が進んじゃうゾ!!

きましたよ、濃い味わいなのに飲みやすいやつ!アル添ならではですね~(アル添はすっきり感を増す効果があります)。

ノーマルの生と袋吊りおりがらみ生はほぼ同じ味わいなので、ここでは同じところを書きますね。差は後半述べさせてもらいます。

とにかく甘口です。甘口大好きな人でも納得の甘さ。トロっとした感じというより酸味が混ざるジューシーな印象ですね。これは人気出そう。

それでいて後味が軽い!甘さはずっと最後まで続くのですが、酸味や苦味、刺激が心地よく甘みを支えているんですよね~。このいい感じの具合、さすがですよ。

◆しぼりの差は?

さて2本の差ですが、まず袋吊りおりがらみの方がすっきりした味わいに感じましたね。これは不必要なストレスを醪にかけない袋吊りならではの個性でしょう。とはいえ、飲み比べないと分かりづらいとは思います。

あと開栓から時間が立つと、ノーマル生の方からチョコやナッツの香りが出てきました(イソバレルアルデヒド、生ひね香とも言われる)。以前飲んだ生の朝日鷹も同様でしたので、アル添だと出やすいのかなー?と思いました。でも袋吊りが出ない理由がわからないんですよねぇ(笑)。

「出羽の冨士 特別本醸造 生&袋吊りおりがらみ生 R2BY」、どちらも間違いのない甘口酒でした。秋田から取り寄せる価値ありますよ!