写真 2021-05-26 21 01 30
味の傾向:静岡・開運の定番酒。香りはほどよい強さの爽やかなバナナの匂い。まさに静岡系。味わいは淡く加水の多さを感じる。控えめな柔らかい甘さと苦味主体のキレのいい後味がバランスよくまとまっているぞ。

僕の評価:75点/100点(静岡の味わいをすべて備えている)

◆◆◆

さあ、2回連続で静岡酒のレビューいっちゃいますよ!「開運(かいうん) 純米吟醸 R1BY」です。もう静岡のお酒がないと生きてゆけんのじゃ・・・。

磯自慢と並ぶ静岡を代表する銘柄ですね。とても流通量が多くて、日本酒専門店はもちろん量販店などでも見かけます。静岡といえばこのお酒、という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。



こちらの純米吟醸は開運のレギュラー商品の1つでして、ごく普通の吟醸酒だと思われます。静岡の吟醸酒は、静岡酵母による特有のフルーティな香りと苦味(酢酸イソアミルの香りとコハク酸の苦味)に、加水とアル添による淡い味わい、日本酒度プラス方向の辛口傾向が特徴です。このお酒もこのあたりの味わいがよく感じられるでしょう。

スペックです。数値系は特定できませんでした。残念。

アルコール度 16%
精米歩合 50%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、加水あり、火入れ

確認できるスペックを見る限りはごくごく普通。精米歩合50%が目立つぐらいでしょうか。大吟醸並に磨いています。あと、このお酒なんと出荷後1年以上貯蔵されています!ちょっとびっくり。冷蔵保管のようですが、商品の回転が早いお店(横浜君嶋屋)で買ったので意外でした。しかし、品質管理はしっかりしているお店なので、1年程度では味に影響しないとの判断なのでしょう。

◆1年経っても安定感抜群

当然冷酒でグラスにそそぎます。色は・・・おお、そこそこ色づいていますが、透明感あってきれいです!やはり変化には強そうですねぇ。糖分とアミノ酸の量も少ないのでしょう(この2つが十分あるお酒は色が付きやすいのです)。

香りを確認です。うむ!いい感じのバナナ、桃のイメージが漂ってきますよ~。ほどよいですね。よく確認するとスパイシーな印象も混ざっていて、火入れ酒だとわかります。1年以上寝ているお酒とは思えませんね。

飲みます。

控えめな甘さがフワっとした軽やかさを感じさせる。後味の苦味がキリッとした印象をつくる硬派な1本だ!

まさに静岡。黄金比でできあがっていますね。

やはり全体的に淡い、薄い印象があります。加水が多い証拠でしょう。静岡のお酒はお酒本来のエキス感を薄めることが多いのですが、この開運もその枠に収まっています。これが食中酒適性をめっちゃ上げているのです。

後味も定石どおり苦いのですが、そこそこ酸味もあるので辛口といった表現をしたくなるようなシャープな味わいでフィニッシュします。いかにも魚料理がおいしいのだろうなぁという味わいですよ。

そして熟成感はほとんどありません。やはり耐久力ありますね!お酒全体に占めるお酒のエキスが少ないからでしょう。これが原酒ならなにかしらの影響が香味に出るはずです。

◆まだまだ先は長い静岡酒の道

短い間に喜久酔、磯自慢、開運と飲みましたが、やはり個人的にはこの3銘柄は静岡代表ですねぇ。共通した味わいと、個別に存在する個性がたまりません。とはいえ、静岡には他にもバリエーション豊かな銘柄がそろっていますから、まだまだ追求していきたいですね!

今回の開運はあまり料理との相性は気にせず飲んでしまったのですが、やはりご飯にばっちり合います。なので、ごく普通の夕食をご飯と一緒に食べるだけで楽しめるでしょう。こういう気楽さも静岡の魅力です。

「開運 純米吟醸 R1BY」、静岡の定番にふさわしい安定感でした。いつ買っても楽しめますよ!






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