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味の傾向:風の森が地元産米を50%磨いてつくる無ろ過生原酒。香りは甘いヨーグルト、バナナ、レモンなどさまざまなにおいが混ざって複雑な雰囲気。味わいは重厚感ある強い甘味が主役で、シャープな酸味としゅわしゅわした微炭酸が心地よく混ざる。ハイレベル甘口酒だ。

僕の評価:80点/100点(甘党も納得のバランス)

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久しぶりの奈良酒です!「風の森(かぜのもり) 露葉風 507 R2BY」であります。最近蔵元である山本長兵衛さんが本を出版されましたね。おめでとうございます~。



風の森はこのブログの初期にレビューしているのですが、その後遠ざかっていました。しかし、最近僕が贔屓している酒屋さんで取扱いが開始されたので、改めて向かい合ってみようと買ってみた次第です。年齢を重ねると舌の精度も変わりますし、なにより蔵元が進化しているはずだからですね。

僕が昔持っていた風の森の印象は、「おいしいけど商品すべてが似通った味わい」というものでした。これは風の森が商品に統一のルール(7号酵母と超硬水を使って無ろ過生原酒をつくる)を課しているから当然なのですが、当時の自分はお酒ごとの個性を把握できず、もどかしい気持ちだったようです。レベルが低かったですねぇ(笑)。

今回のお酒は奈良県独自の酒米・露葉風を50%に磨いてつくった吟醸酒です。現在風の森には80%精米の露葉風もありますが、まずは高精白の商品から攻めていきます!

スペック確認です。

アルコール度 16%
精米歩合 50%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、原酒、生酒、無ろ過

数値は不明なので、ごくごく普通の風の森スペックという感じです。精米歩合が50%なので、フルーティな吟醸香がストレートに感じられるはず・・・そのぐらいしか想像できませんね。アルコール度16%の原酒なので、濃厚なのは間違いないでしょう。

飲んでみますか!

◆圧巻の甘さ!

冷酒でお酒の見た目を確認します。おお~、大きな気泡がいくつも見えますね~。風の森のトレードマーク、微発泡です。このシュワシュワ感が好きな方も多いでしょう。お酒の色自体はほんのり緑色といったところです。高精白の生原酒としては普通でしょうか。

香りも確認します。おう、フルーティで複雑!こりゃすごい。甘いヨーグルトやバナナ、レモンなど、普通の吟醸酒ではなかなか感じられないぐらいの情報量の多さです。うひゃ~、たまりませんなぁ。

飲みます。

ふくらみのある濃厚な甘みがズドーンとくる!そこに酸味と微炭酸が混ざり合って天にも登る感じが!

このボリューム感ある甘み、もう甘党にとって最高の味わいじゃないでしょうか。ずっしりきます!

普通だと甘すぎる味と舌触りですが、強めの酸味、シュワシュワした炭酸がほどよく支えています。このバランスは無ろ過生原酒らしさにあふれてますね。好きものにはたまりません。

この微炭酸が時間経過で抜けると、このお酒の暴力的な糖分が前に出てきます。開栓後4日ぐらいでかなり炭酸が減る印象ですね。こうなるとかなり甘いです。糖分ジャンキーの方は試してみてください。

◆風の森の甘み番長

いやー、甘かった。めちゃくちゃ個性立っていましたね。同じ50%精米のシリーズには秋津穂というお米を使ったものもあるのですが、そちらとは全然違う味でした。こういう差異がわかるようになって嬉しいです。

風の森には各商品ごとの味わいマップというものがありまして、この507露葉風は、ややボディの軽い甘口酒のようです。眺めると807雄町などはボディ強めの激甘らしくて、わくわくしてきます(笑)。今後もいろいろな風の森を飲んでいきたいと思います!

「風の森 507 露葉風 R2BY」、甘党は飲んでおけ!な逸品でした。バランスも含めて楽しんでください!