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味の傾向:新政の定番商品。クエン酸を味わえる純米酒だ。香りはとても落ちつていて、甘いヨーグルトのような印象。味わいはしっかりとしたシャープな酸味が主役だが、控えめでやさしい甘みに混ざり合い、最後は溶けるように消えていく。奇跡のようなお酒だ。

合わせた料理:鶏肉の酒粕竜田揚げ

僕の評価:90点/100点(こんな酸味系日本酒初めて飲んだ)

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今年はけっこう飲めてて嬉しい新政のお酒をご紹介!「新政(あらまさ) 亜麻猫 R2BY」です。No.6画太郎TYPEには驚きましたねぇ(笑)。

新政のレギュラー商品の1つです。白麹という焼酎用の原料を使った日本酒の先駆け的存在で、とても酸っぱいクエン酸(レモンに含まれている酸)から生まれるシャープで力強い酸味が特徴の日本酒です。

その昔は強烈に酸っぱいお酒で、これはやりすぎだろうという時期もありました(遠い目)。しかし、最近新政は味わいがやさしくなりました。その変化は亜麻猫にも及んでいるはずです。思い込みを捨てて新しい亜麻猫に向かい合ってみましょう!

スペックです。数値関係は不明ですね。

アルコール度 13%
精米歩合 60%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、加水あり、火入れ、白麹使用、木桶仕込み

加水がある新政ですね。新政は原酒にこだわっていると見せて、意外と加水調整したお酒も出しています。やはり加水のバランス調整力を利用しているのでしょうね~。木桶のウッディなニュアンスは、酸味高いこのお酒に合いそうです。

飲みましょう。

◆はかなく散っていく酸味に感動

冷酒でグラスにそそいで見た目をチェック。色はちょっと黄色ですね。火入れで色づいたのでしょう。加水しているとはいえ、原酒に近い濃度だと思います。微炭酸の泡も確認。あと酒粕がキラキラと酒の中を舞っています。新政のこの見た目、きれいですよね~。

香りを確認。すっごいおだやか!ワイングラスでもほとんど香りを感じません。ほんの少し甘いヨーグルトのような酸味を感じるぐらいです。アルコール度が低いがゆえの影響ですね。No.6とは違い、香りを楽しまない食中酒系の印象です。

飲みます。

ほげぇぇぇッッッ!?なにこの味わい!!はっきりとした酸味がほろほろと儚く消えていく様が美しい!

げーーー!?こんなお酒飲んだことない!酸は強い。でも白ワインなどとはまるで違うお酒だ。信じられん。

とにかくやさしい味わいのお酒です。トロリとして心地よい。これだけはっきりした酸味があるのにピリピリした印象がないなんて。

そして甘味と酸味が混ざりながら最後にはフワっと味が消えます。くお~、美しい~。すばらしいです。

おつまみは酒粕を練り込んだ竜田揚げにしました、めっちゃ最高です。やはり酸味と唐揚げ系の相性は抜群です。しかし、食べた印象はビールやワインなどとはまったく違うんですよ。日本酒でしか出せない柔らかい印象が竜田揚げに染み込んで最高な体験になる・・・、はあ、うっとり。

◆もう降参

いやー、参りました。新政最高に好みですね。けっこう極端な味わいだと思いますが、酒好きの感想を見る限りまだまだ大人気のようですね。新政のブランド戦略は味以外の部分もすごいのですが、味わいもとんでもないことを再確認しました。

ちなみにこの亜麻猫の味わいは開栓後一気に変化します。このレビューは開栓当日のものですが、数日後には酸味が弱まり甘さが全面に出てきます。なかなか繊細なので、ご自宅で楽しむ際はお気をつけください。

「新政 亜麻猫 R2BY」、酸味系日本酒の最先端です。ぜひ飲んでみてください。