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味の傾向:不老泉のほどよく熟成された無ろ過生原酒。香りは強烈で、ローストされたナッツやアーモンドのにおいに青草の青い印象ががっつり混ざる。味わいもヘビーで、力強い甘味と濃厚すぎる旨味をピリピリヒリヒリする刺激とともに楽しむことができる。ド派手なお酒だが、料理と合わせると化けるから面白い。

合わせた料理:クリームチーズのキムチ和え、ブルーチーズ+クラッカー

僕の評価:75点/100点(だんだん不老泉がわかって来た気がする)

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さて、今日は滋賀のお酒をご紹介ですよ~。「不老泉(ふろうせん) 純米吟醸 総の舞 無ろ過生原酒 R1BY」であります。この前の風の森といい、なんか近畿づいていますね、僕(笑)。

不老泉というと、無ろ過生原酒+熟成+穀物香という強烈な個性で殴りかかってくる滋賀の魔王という印象があります。昔から知ってはいるのですが、どう楽しんだらいいのか見当がつかない銘柄というのが僕のイメージでしたね。

ただ最近は、料理と合わせると苦手なお酒が大化けする経験をすることが増えまして、どうやら不老泉もそっち系みたいだぞと思うようになりました。

前回の不老泉では料理の相性をいま一歩詰められなかったので、今回は気合入れていかせていただきます!


スペックです。ラベルで全公開ですよ。ありがとうございます!

アルコール度 17%
精米歩合 55%
日本酒度 +2
酸度 2.2
アミノ酸度 2.7
純米、吟醸づくりあり、生酒、原酒、無ろ過、1年ぐらい熟成

吟醸づくりしていますが、不老泉ですからフルーティな香りなんて期待しちゃいけません。無ろ過生原酒でアルコール度17%です。あまり高くないですね。糖分が残っている印象です。酸度とアミノ酸度はバリバリに高いですねぇ。この仕様のお酒を少々熟成しているわけですが、どうなるのでしょうか?

◆火薬のように旨味が爆発する!

やや温度上げた冷酒でそそぎます(15度ぐらい)。原酒なので色がはっきり見えます。やや緑色で黄色がほんのり混ざるような感じですね。生酒を熟成していることがわかります。とはいえ軽い熟成なのでしょうね。そんな色です。

香りを確認します。うぉっ、強い!!若草のような青い香りがドバドバーっと出ています。生酒感すごいですね。そこに熟成香であるナッツ、アーモンド、スパイスのにおいが混ざって大変なことになっています。この複雑な印象は不老泉らしいです。

飲みましょう。

ずっしりくる甘味旨味にビリビリピリピリくる刺激感が混ざり合い大爆発。この強烈さこそ不老泉や!

きました、この複雑さ、この濃厚さ!不老泉の面目躍如ですね。

甘さも旨さもたっぷり以上にあります。そこに生酒らしい刺激と苦味が加わってド派手な印象になっている。ヤワな料理じゃ耐えられない味わいですよ。

昔はどう楽しんだらいいのかわからなかったのですが、今はいろいろ勉強したから負けませんよ。かかってこい!

まずキムチにクリームチーズを添えたもの。この組み合わせだとキムチの塩っぱさでお酒の甘さに対応し、クリームチーズのコクがお酒の濃厚さと釣り合います。酒盗クリームチーズもいいでしょうねぇ。

もっとよかったのはブルーチーズのクラッカー。かなり塩っぱいチーズ(ダナブルー)にしましたが、口内で酒とチーズの旨味が爆発してとんでもないことになりました!刺激的なブルーチーズで試してみてください。

◆だんだん不老泉にハマってきた

不老泉+ブルーチーズはたまらない組み合わせでしたね~。不老泉はこうやって楽しめばよいのか!と開眼した思いです。お酒がパワフルでクセが強いので、同じくクセが強い食品(特に発酵食品)とぴったり合うんですね。単独では楽しみにくいものがペアになると完璧な味わいになる。まさしくペアリングの面白さでしょう。

それなりに長く日本酒飲んでますが、「これなにがおいしいんだ?」というお酒に何度も出会ってきました。ここにきてそういうお酒の存在意義がようやく分かってきた気がします。いや~、お酒の道は奥が深く険しい!そこが楽しいんですね。

「不老泉 純米吟醸 総の舞 無ろ過生原酒 R1BY」、強烈な味わいは強烈な肴と楽しむ、これが実感できるお酒です!