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味の傾向:
著名な焼酎蔵の定番商品。香りはおそろしく複雑で、ジャスミンを思わせる花のにおい、ライチや柑橘のフルーツのにおい、ミントのようなクールなにおいが混ざり合う。味わいはとてもまろやかでストレートで飲んでもやわらかい。後味にシャープでかっこいい苦味がある。とんでもないお酒だ。

僕の評価:焼酎なので未採点 すばらしい逸品

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こんにちは、ジャンクフードはラーメンよりハンバーガー派な神奈川建一です。

前回はちみつ酒をレビューしましたが、今回は焼酎です!「国分酒造 安田」でありますよ~。日本酒期待していた方、すんません。でも、レビューしたかったのです!

国分酒造と言えば焼酎好きなら誰でも知っている鹿児島県の酒蔵です。最近ではフラミンゴオレンジやクールミントグリーンといった今までにないスタイルの焼酎を発売し、新しいファンを増やし続けています。そのニュースは僕ら日本酒ファンにも聞こえるぐらいですよね。

その国分酒造の主力商品がこの安田という芋焼酎です。

「芋麹」と「蔓無源氏(つるなしげんじ ※サツマイモの品種)」を使用しているのが最大の特徴で、いままでの芋焼酎にはなかった香り高い商品として仕上がっているそうです。そのキーワードはライチの香り。この前レビューした「だいやめ」にもありましたよね?


最近友人に聞いたのですが、芋焼酎はサツマイモの品種の違いが出やすいのだそうです。きっと品種ごとに特徴的な香りがあるからでしょうね(日本酒とはここが違う)。蔓無源氏は一度途絶えた品種を復活させたものだそうで、これを熟成させかつ芋麹の力でさらに強化しているそうです。くー、期待が高まる!

スペックを確認しましょう。

分類 本格焼酎
アルコール度 26%
原料 芋麹(黒麹、蔓無源氏)、サツマイモ(蔓無源氏)
蒸留方法 常圧蒸留

やはり難易度が高いと言われる芋麹が目立ちますね!通常の芋焼酎は米麹なのですが、その理由は芋麹は酵素力(デンプンなどを溶かす力)が弱いからだそうです。とても高度な技術で実現しているのでしょうね~。また常圧蒸留となっています。素材の特徴が色濃く反映されていそうです。

◆複雑なフルーティ&フローラルな香り!?

さて、常温ストレートで注いでみます。まあ、色は他のお酒と区別がつきませんね。透明です。焼酎は外見で確認できる特徴ってあるんでしょうかね?

香りを確認。うをををををッッ、これは花の香り!?ジャスミンとか・・・あまり花には詳しくないですけど!さらにフルーツの香り(ライチ、オレンジ、ミカン)にハーブの香り(ミント)が入り混じって複雑で奥行きがあるぞ。なにこれ、すんごい。アルコール度の高い蒸留酒なのにアルコール臭はとても少ない!

の、飲んでみます。

すご~くまろやか!甘味は少なくシャープな印象。ミントを思わせる青っぽい苦さが実にクール!

うっひゃ~~、味わいもまた素敵。じっくり飲んでも、気軽に飲んでもいけちゃいますね!

他の焼酎に比べて圧倒的に舌触りがいいですね。アルコールの熟成由来なのでしょうか?ストレートで飲んでも舌がピリピリしにくいです。

甘さが少なくどちらかというと苦さで飲ませるドライタイプ。食中ではいい感じのビールを思わせる印象もあります。

個人的にはほんの少し水割りすると柔らかくなり、味わいのミント感が増しておいしかったです。またお湯割りすると温泉の素みたいな印象に(笑)。さすがにこの表現はちょっとアホっぽいですが、日本酒の吟醸酒のようにフルーティな香りが消えることがないので、とても不思議な温かいお酒に変化します。試してみてください。

◆焼酎って奥深い

いやー、さすが人気があるお酒です。これが芋焼酎なんてちょっと信じられませんよね。お酒造りってどんなジャンルでも神秘的な領域ってのがあると思うのですが、こういうお酒飲むとそれが実感できますね。

正直なところ日本酒に比べると焼酎は単純なアルコール飲料なのかなって思っていたのですが、んなことねーよ!ということがあっさりわかりました。やはり百聞は一飲にしかず。お酒ってこういうところがあるから楽しいです。

「国分酒造 安田」、あらゆる酒好きを唸らせる逸品です。ぜひ飲んでみてください!