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味の傾向:
島根の酒蔵の定番純米酒。香りはお米の甘いにおいとおこげのような香ばしいにおいが混ざった熟した印象。味わいは穀物系の落ち着いた甘味に切れのよい酸味が食中で活きる。食事のいいお供だ。

僕の評価:70点/100点(脇役に徹するお酒)

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こんにちは。お腹が弱いくせに深夜まで飲み続けるのをやめられない神奈川建一です。翌日だいたい後悔しています。

さて、島根の板倉酒造レビューもついに4本目!「天穏(てんおん) 純米酒 白ラベル H30BY」であります。これだけ1つの酒蔵を深堀りしたのも久しぶりですね~。

天穏は板倉酒造のメイン商品であり、生産量も多いと思われます。今までレビューした無窮天穏はいわばスペシャルブランドであり、流通の限られた限定商品という扱いのようですね。




今回の純米酒白ラベルは五百万石を使用したお酒で、おそらく天穏のスタンダード商品だと思われます。H30BYなので2年ほど熟成しているようですね。

ちなみに公式HPを見ると、今年の白ラベルは一升瓶はR3BY+R2BYのブレンドで、4合瓶はR3BYのみという仕様だそうです。瓶サイズが異なると中身も異なるってこだわりすぎっしょ(笑)。

スペックです。

アルコール度 15~16%
精米歩合 60%
日本酒度 +5
酸度 1.5
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、火入れ、加水あり、無ろ過、2年熟成

お酒のスペックとしてはとてもノーマルな感じですね。食中酒向きの純米酒ならこんな感じだよねといった印象。酸度だけやや高めといったところでしょうか。とはいえ通常の範囲内です。落ち着いた酒質を予感させますね。

◆普段着の純米酒

今回は常温でいってみましょう。グラスにそそいで色を確認です。お、しっかり黄色く色づいていいますね。加水調整されているお酒で2年でこの色ということは常温保管だったのでしょう。香りのバランスと苦味がどう出ているか気になりますね。

香りをチェックします。ふーむ、穏やかな印象ですねぇ。お米っぽい甘いにおいとおこげのような香ばしいにおいが適度に混ざっています。このあたりは無窮天穏と同じ印象を感じますね。

飲みましょう。

ほんのりとした甘さが穀物を思わせる、キレのよい食中酒だ!

淡いシンプルな酒質です。完全に料理を主役にする脇役酒ですね!

甘さは強くもないが弱くもない。旨味苦味はそこそこ。酸味がいい感じにアクセントになるので食事が進みます。そしてなにより味わいが淡い。実に中庸な純米酒です。

日本酒専門店でない飲み屋で、このお酒があったら嬉しいなぁというタイプの味わいです。熱燗で出てきたらさらに嬉しい、そんな感じですね~。

◆ブランドの差別化

無窮天穏を楽しんだ後だと、ずいぶんノーマルな日本酒だな!と感じました。無窮天穏は味に深みと凄みを感じたのですが、この天穏・純米酒はあくまでシンプルな味わいでしたね。お酒の方向性が違うということがよくわかりました。

しかし、天穏は水もと(酸味が強い酒質になる酒母)などもあるんですよなぁ。もうちょっと飲んでみないとわかりませんね。板倉酒造にはまだまだ付き合わせていただきますよ~。

「天穏 純米酒 白ラベル H30BY」、おだやかな味わいの島根純米酒です。ぜひ常温以上でお楽しみください。