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味の傾向:
しぼりたてホヤホヤの無ろ過生原酒。香りはフレッシュな印象とお菓子のような甘いにおいが混ざってまさにラムネな感じ。味わいはトロリとした濃い甘味に苦味酸味シュワシュワピリピリが絶妙に混ざってザ・ラムネな印象。完璧にラムネ味の日本酒だ。

合わせた料理:椎茸のすまし汁

僕の評価:75点/100点(しぼりたて日本酒としてキャラが立っている)

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40年以上生きてきて、初めて岩下の新生姜にハマっている神奈川建一です。あのすっぱすぎない味わいが神すぎます。

さて、今回は岩手のお酒です!「酉与右衛門(よえもん) 特別純米 無ろ過生原酒 吟ぎんが R3BY」となります~。青い瓶がいかにもしぼりたての酒って印象ですね。

酉与右衛門は濃醇なお酒をつくる岩手の酒蔵・川村酒造店の銘柄です。当ブログでは別のブランドである南部関をレビューしていますね。



このお酒は裏ラベルに仕込み1号って書いてあります。おそらくR3BYの最初の1本なんでしょうね~。「上槽した後、そのままの生原酒を瓶詰めしているため、オリが少し沈殿します」と書いてあります。まさにできたてのお酒が出荷されているのでしょう!

真冬にフレッシュな生酒を飲むのは日本酒ファンの季節の楽しみとして最高のシーンですよね。季節に寄り添い生まれてくる日本酒達、ああなんて風流なんでしょう。

ちなみに「しぼりたて」と「新酒」は明確に区別があって、その年に収穫されたお米を使って醸したお酒のみ「新酒」と名のれます。豆知識ですが、冬にお酒を買う際にラベルに注目してみてください。

スペックを見ましょう。裏ラベルに全公開です。嬉しい!

アルコール度 16~17%
精米歩合 50%
日本酒度 +6
酸度 1.8
アミノ酸度 0.7
純米、吟醸づくりあり、生酒、原酒、無ろ過

気になるポイントは、高めの日本酒度ととても低いアミノ酸度です。お酒の中の糖分もアミノ酸も少ないということで、かなりシャープで渋味をともなったドライな酒質を予感させます。とはいえ原酒・精米歩合50%・微妙に低いアルコール度と気になるところはたくさん。これは飲んでみるしかないですね。

◆大人のラムネとしか言いようがない!

しっかり冷やしてグラスにそそぎます。おお~、お酒が緑色に色づいています。これぞしぼりたてのお酒ですねぇ(できたての日本酒は緑色なのです)。他にはほんのり炭酸の泡、あと酒粕であるオリがゆらゆらと舞っていますね。きれいです。

香りを確認。おおう、ラムネだぁ!しぼりたてのお酒特有の青っぽい印象に甘い香りが混ざってラムネの印象が半端ないです。そういや瓶もグリーンとブルーのトーンでラムネの瓶っぽい。狙っているなぁ?(笑)

飲みます。

ねっとりとした甘味と苦味!爽快な渋味が気持ちいい。ザ・ラムネ味だッ。

すばらしい、ここまでコンセプトが明快だと嬉しくなっちゃうよ!

まず意外と甘いです。原酒らしい濃厚な甘味がありますね。これが日本酒度+6とは面白い。

他には予想通り強めの渋味(アミノ酸度が低い証拠)にエッジの立った苦味があるのですが、濃い甘味のおかげでバランスが取れている。なんか艶めかしい感じすらします。上手いなぁ。

単独で飲んですごくおいしいお酒です。その分食中で合わせるのに苦労しました。苦味が目立ち気味になるんですよ。

頑張って合わせて一番よかったのが、なんと椎茸のすまし汁でした。塩味が苦味をいい感じに中和してくれて美味でしたね。塩分のある汁物がいいとなると、鍋料理なども相性よさそうです。

◆冬を演出する名俳優

キャラクターがわかりやすい良くできた生原酒でしたね。フレッシュで濃厚なラムネ酒、これがないと冬が始まらないなんてファンの方も多いのでしょう。

僕としては、最初の1杯として塩っ気の強い肴とともにキュッと飲みたいお酒ですねぇ。やはり無ろ過生原酒は単独で映えるので1杯目として優秀です。バーカウンターで飲めると2割増しにおいしいでしょうね。

「酉与右衛門 特別純米 無ろ過生原酒 吟ぎんが R3BY」、酉与右衛門らしい濃醇さとフレッシュさが両立したラムネ酒でした。おいしいですよ!