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味の傾向:群馬の土田酒造がつくるチャレンジ酒。香りは力強い酸っぱいにおいと香ばしい醤油のにおいが混ざりあった印象。味わいは酸味・苦味が強く複雑なタイプだが、どっしりしすぎずライトでドライな味わいに仕上がっている。

合わせた料理:蜂蜜がけブルーチーズクラッカー

僕の評価:75点/100点(複雑な味わいを持つドライな日本酒)

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日本酒好きなくせに甘い食べ物苦手な僕ですが、頭使う作業の前に糖分摂取するとめちゃくちゃ効率よく頭が回ることに気づいた神奈川建一です。おせーよ。

なんと3連続群馬酒のご紹介です!「土田(つちだ) 研究醸造Data.12 R2BY」であります。前回ご紹介したData.13と同じく、試験醸造による限定酒のシリーズですね。



今回のお酒は「お酒をつくるのにお米を磨きまくって、さらに酒粕も出しまくるのはもったいない。いいお米を使っているのだから、磨かないお米で酒粕もできる限り出さないおいしいお酒をつくりたい!」という狙いで醸造したものだそうです。

これは生産者である酒蔵ならではの考えだよな~と思います。僕らが飲む地酒は、多くが精米で4~5割お米を捨てて、さらにお酒を搾る際に追加で3~4割を酒粕という形で捨てているのですよ。理想の味わいのためとはいえ、たしかにもったいなく感じます。

実は今回のチャレンジは目標達成に失敗しておりまして、酒粕の比率(粕歩合と言います)は39%だったそうです。狙いは10%だったので残念な結果でしたが、貴重な経験を得られたし味わいはしっかりよいものができたとのことです。失敗は成功の糧ですな!

スペックを確認しましょう~。

アルコール度 15%(原酒)
精米歩合 90%
日本酒度 -11.4
酸度 3.2
アミノ酸度 3.1
純米、吟醸づくりなし、原酒、火入れ

いつもの土田スペックという感じです。糖分多い!酸味多い!旨味多い!ですね(笑)。前回の研究醸造Date.13と比べるとアルコール度が大きく違うのが特徴ですね。そこに注目しつつ楽しんでみましょう。

◆複雑な味わいを楽しむ

今回は寒い季節(1月)に飲んでいるので、冷酒ではなく常温(10~15℃ぐらい)でグラスにそそぎます。お酒の色はそこそこ黄色ですが、熟成ってほどではないですね。ちょっとお酒の透明度が低いので無ろ過なのでしょう。

香りを確認します。おお、力強く酸っぱいにおいが漂います!これは酸味豊かそう。そしてほんのりとした醤油の香りも。なんとなく味わいが想像できそうです。

飲んでみましょう。

酸味・苦味が複雑に混ざりあったコクのある味わい!でも、ほどよく軽くて重すぎない味わいがドライな印象を感じさせるぞ。

ほお~、これは面白い!いままでにないタイプのお酒ですね!

いわゆる雑味のあるタイプのお酒でして、通常はもっとどっしりしたパワフルな印象のお酒が主流だと思いますが、この研究醸造Data.12は軽さがあるんですよね。重すぎないんです。

吟醸酒のようなフルーティなタイプとは真逆の味わいなのですが、ドライでどことなくエレガントさがあるんです。こういう複数の要素を感じさせるのは土田らしいですね。

飲んだことのないスタイルのお酒だったので、料理との相性はあまり追求できませんでした。こういう雑味を上手くいなせるのはどういう肴なんでしょうかね・・・。でもクラッカーに蜂蜜かけたブルーチーズをのせるおつまみはよかったですね。味が多い者同士相性がいいのかもしれません。

◆難易度の高いお酒は楽しい

こういう複雑な味わいを持つお酒は、単独で飲んでおいしいと感じる吟醸酒より楽しむ難易度が高いですね。この研究醸造Data.12は雑味が多い上に甘みが少ないので、飲んだだけではおいしいと感じにくいのではないでしょうか。

しかし、こういうお酒が料理とピタッとあった時はめちゃくちゃうまいんですよ。土田は味わいの要素が多いですから、決まった時は最高においしくなります。もうちょっと腕前を上げてから再チャレンジしたいお酒ですね。

「土田 研究醸造Data.12 R2BY」、ペアリングの追求に興味をそそられる1本でした。今後の研究醸造にも期待ですね。