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味の傾向:福井の銘酒・黒龍がつくる定番純米酒。香りはふわっと穏やかなメロンの印象。味わいはまろやかでエレガント、甘味は控えめでほんのり苦い。食中に飲むと甘味が際立ちとても美味。

合わせた料理:大葉入りだし巻き卵、まぐろ刺身、まぐろユッケ丼、けんちん汁

僕の評価:80点/100点(パーフェクト食中酒)

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中華街で購入したウーロン茶の茶葉がいくら飲んでも消費しきれない神奈川建一です。お茶っ葉ってコスパいいですねぇ。

今回は僕お気に入りの福井のお酒をご紹介。「黒龍(こくりゅう) 純吟 R3BY」です!今年は同じ蔵元の九頭龍・垂れ口をレビューしていますね。



原酒でアルコール度が18%もあった濃厚な九頭龍・垂れ口とは異なり、こちらの黒龍・純吟はアルコール度15.5%で加水(水で薄まっている)という黒龍らしいお酒です。きっと食中で映えるんでしょうなぁ。

自分はしっかりした食事に無理なく合わせられる淡いお酒をひいきしちゃう傾向があるのですが、それは僕が夕食のおかずとご飯を食べながらお酒を飲む人だからなんです。濃厚な無ろ過生原酒とかも好きで食前に飲んだりするのですが、印象が強く残るのはたくさん飲む食中酒なんですよ。

さて、スペックを確認しましょう。

アルコール度 15.5%
精米歩合 55%
日本酒度 +4.5
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、加水あり、火入れ

見事な軽やか食中酒!といった数値です。いつもの黒龍スペックなら、酸度は低め、アミノ酸度はそこそこなはずです。ポイントは低めの酸度で、これにより数値以上に甘味を感じるはずです。純米ですし、全体的におだやかでしょうね~。

◆普通の料理になんでも合う!

冷酒でグラスにそそぎます。色はほんのり黄色ですね。まあほとんどついてないぐらいです。加水、純米、精米歩合55%ならごく普通の外見でしょう。とても澄んだ見た目です。

香りも確認します。ほ~、メロンの印象ですね。フレッシュではなく熟れたメロン、しかしほんのりとしていて穏やかです。火入れの黒龍はこういう上品な吟醸香のパターンが多いです。この純吟も同じようですね。

飲みます。

ふわっと角のないまろやかな舌触り、甘味は少ないがドライというわけではない、食中になじみ甘さが際立つ!!

きました、この魔法みたいなバランス!いや~黒龍としか言いようがないですね。

甘味はかなり少なく酸味もほんのりです。じゃドライ(辛口)なのかというと、そんな印象もないんですよ。中庸な味わい、滑らかな舌触りがその原因でしょう。

単独で飲むとそっけないと感じるのですが、食中ではマジヤバイ。あれだけ地味だったお酒の甘味がくっきり感じられるようになるんです!いや、もうまじうめぇなぁ。

しょうゆ、みりん、砂糖、酒、味噌を使った素材感ある料理なら何にでも合うでしょう。和食全般どんとこいなお酒です。まぐろの刺身も最高でしたねぇ。ただ繊細すぎる料理には物足りない印象でした。きのこの澄まし汁とか。このぐらいになると大吟醸の方がいいのでしょうね。

◆晩酌派の方すべてにおすすめ

世の中にはたくさんの食事に合わせやすいお酒がありますが、黒龍の味わいは万人向けながら個性があってさすがと感じます。微妙なバランスの試行錯誤の上に銘酒が成立するのでしょう。まさに敬服すべき酒蔵です。

次も黒龍を買うと思いますが、どれにしようか迷いますね~。久しぶりにいっちょらいか、飲んだことのない大吟醸・龍か。また飲んだらレビューしますので、楽しみにしててくださいね。

「黒龍 純吟 R3BY」、あらゆる和食にフィットする傑作食中酒です。一升瓶買いもおすすめです!