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味の傾向:特殊な製法により玄米を使ってつくった驚きの日本酒。ローストしたナッツ、カカオ、ミントのような香りにトロリとした甘味と苦味が混ざり合い、スパイシーな印象のお酒に仕上がっている。風の森の新しい方向性に期待大だ。

僕の評価:80点/100点(人は選ぶが今後が楽しみ)

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二日酔いの朝に納豆ご飯と味噌汁を飲めば、ウコンの5倍の解毒効果があると信じている神奈川建一です。

さあ今日は奈良のエース銘柄をご紹介。「風の森(かぜのもり) ALPHA8 大地の力 Ver.1 R3BY」です~。

この風の森はなんと玄米(精米歩合で表記するなら100%)を使ってつくられています。使用するお米の内6割を玄米で残りの4割を80%精米のお米で醸造しているのですが、お酒好きならこれがどれだけ異常かわかるはず!

日本酒というお酒は磨いたお米を使ってつくるのがセオリーなのです。なぜなら磨いていないお米でお酒をつくると、不快なにおいたっぷり+雑味だらけの飲みにくい味わいになってしまうからなんですね。そりゃあどの酒蔵だって磨きますよ。

以前玄米で醸造したお酒を飲みましたが、個性的すぎてめちゃくちゃ人を選ぶ味わいでした。

こちらが精米歩合100%のお酒のレビューです。

そんなエキセントリックなジャンルのお酒に、モダンな味わいで人気の風の森が挑むというのです。これは確認したくなるってもんですよ!

それではお酒のスペックを見てみましょう~。

アルコール度 15%
精米歩合 100%のお米6割、80%のお米4割
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、生酒、原酒

純米の生原酒というところは、いつもどおりの風の森の共通スペックです。重要な点はもちろん精米歩合ですが、普段の風の森ではめずらしいアルコール度15%にも注目です。おそらく甘味を多めに残したかったのではないでしょうか。

◆スパイシー玄米酒!

冷やしてグラスにそそぎます。おお、色が黄金色。酒屋さんはシャンパンゴールドと表現していましたね。よく見るとグリーンのトーンも混ざっています。精米歩合が高いと(磨いてないと)お酒の色は濃くなるのですが、まさにそのルール通りの見た目ということですね~。

香りを確認します。うひょ~、スパイシー!!ローストしたナッツ、アーモンド、カカオ、さらにミントや畳のような青っぽいにおいも混ざって摩訶不思議な印象です!これが日本酒とは思えない。かなり洗練されていますね。玄米使うと臭い!って印象になりがちですが、そういう雰囲気はないです。

飲みましょう。

とろみのある甘味に複雑な苦味が混ざり合ってまさにスパイシー!

香りからイメージする期待を裏切らない味わいです。これは新鮮だ!

予想どおりけっこう甘いですね。とはいえしつこくないです。そこにピリッとくる複雑な苦味が混ざり合ってエスニックな印象に。香りと微炭酸の刺激のせいでしょうか。生酒ゆえの荒々しさも影響していそうですね。

お酒の方向性がスパイシーで統一されているのでとても楽しみやすいお酒です。単独でかなり飲んでしまったので、料理との相性は探れませんでしたね~。スモークチーズなどのまろやかなチーズはそこまで合わなかったです。ゴルゴンゾーラみたいな刺激的なブルーチーズとかいいかもしれませんね。

◆どう進化していくのか楽しみ

尖った個性があるので人は選びますが、想像よりずっと洗練されていて飲みやすい味わいでした。こういうお酒は日本酒の世界を広げてくれそうで楽しみですね。日本酒バーでベストな組み合わせの料理と一緒に飲んでみたいなぁ。

今回のお酒は第一弾でしたが、その後Ver.2として玄米使用率が80%のALPHA8も発売されたそうです。風の森のことですから、毎年どんどんおいしくなっていくのでしょう。これは来期が楽しみです!

「風の森 ALPHA8  大地の力 Ver.1  R3BY」、風の森の新しいチャレンジです。次回のデキにも注目してください!

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