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味の傾向:福井の黒龍酒造がつくるセカンドブランドの純米酒。ひんやりした印象の香りはメロン風味。甘みを抑えた淡い味わいはじんわり食事と混ざり合い食卓を楽しくしてくれる。一升瓶で買って常備したいお酒だ。

合わせた料理:鳥カツのレモンソースかけ、鶏皮のさっぱり甘酢焼き

僕の評価:80点/100点(絶妙なアルコール度数が最高)

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10月にデイキャンプしたらテントの中が暑くてTシャツ1枚でビールを楽しんでしまった神奈川建一です。秋よどこ行った。

さて、またまた福井のお酒をご紹介です。「九頭龍(くずりゅう) 純米 R3BY」であります。ちょっと前に紹介した黒龍の兄弟ブランドですね。3年ぶりに購入しました~。

3年前のレビューはこちら。


このお酒は僕好みの「単独で飲むと地味だけど、料理がめっちゃおいしくなるお酒」です。あくまで料理が主役の脇役酒ってタイプ。こういうお酒は飲み屋では目立ちにくいから自宅でこそ輝くと思っています。

僕たちいみたいに毎回飲むお酒が違うマニアというのは少数派で、世の中はいつも同じお酒飲む人の方が多いはずです。その際重要なのは飲み飽きないことと、どんな料理にも合うこと。この九頭龍・純米はこの条件にピタッと合っているので、きっとリピーターも多いのだと思いますね。

スペックです。3年前とはちょっぴり変わっています。

アルコール度 14.5%
精米歩合 65%
日本酒度 +5.5
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、火入れ、加水あり

やはりポイントはアルコール度!黒龍酒造は15%のお酒が多いのですが、それを下回る14%台の度数です。お酒に軽さが出るので、飲みやすさが段違いですね。アルコール度が低いと物足りなさも出るので諸刃の剣でもあるのですが、そこは黒龍酒造ですからしっかりいいバランスに持っていっていると思われます。

◆まるでライトなビールみたいに口の中がリフレッシュ

いつもどおり冷酒でグラスにそそぎます。ふむふむ、透明感高くてきれい、そしてうすーく黄色のトーンがありますね。加水が多くてしっかり火入れをしている、そういうお酒の見た目です。

香りを確認。おお~、クールで涼し気な印象にはっきりしたフルーティな香り!メロンのシャーベットみたいな?いやいや、精米65%でアルコール度14.5%なのにこれはすげぇ。一般的に精米歩合が高くなる(=お米を磨いていない)&アルコール度が低いとフルーティな香りは出しにくいのですが、この九頭龍はばっちり出ています。さすがですね。

飲みましょう。

甘味を抑えた淡い味、後味にはじんわりとした苦味の余韻が長い。全体的にドライでまろやかな味わいだ!

きました、ふんわりとしてドライで苦い、こういう味は白米に合うんです!

軽くてまろやかなお酒ですね。このあたりはお水で割ったアルコール度14.5%のお酒という特徴がよく出ています。料理に無理なく合うお酒、邪魔しないお酒ですね。

単体で飲むと苦味が気になる方もいると思うのですが、ご飯を食べながら飲むとむしろ口の中を心地よくリフレッシュしてくれるのです。軽いビールをイメージしていただけるとわかるかな?

今回はご飯をがっつり食べながら鳥カツや鶏皮を炒めた料理を合わせたのですが、実に気持ちよく食べられました。食卓の味わいが膨らむとでも言いましょうか、普通の食事がすごく贅沢に感じられますね。お酒はこうじゃなくちゃって思います。

◆熱燗もすてき

この九頭龍・純米は真夏の7月~9月に買って飲んだので、キンキンに冷やして飲みましたが熱燗も最高です。特徴的な苦味がぐっとまろやかになるので、苦味が気になる方はぜひ試してみてください。

今回は一升瓶で購入してみましたが、真夏でも耐久性抜群でした。しっかり冷蔵保管すれば1ヶ月は余裕でしょう。こういうところも常備酒適性を感じますね。

「九頭龍 純米 R3BY」、食中酒派の皆さんには自宅で試してほしい1本です。冷酒でよし、熱燗でよしですよ!