写真 2022-08-15 21 16 36

味の傾向:
純米大吟醸のみ生産する酒蔵が販売する一番ベーシックな商品。香りは控えめだがピーチのような甘く熟した印象、味わいは甘いが柔らかさ、軽さが感じられとても飲みやすい。単独でも食中でもおいしい万能酒だ。

合わせた料理:だし巻き卵、アボカドのキムチ和え

僕の評価:80点/100点(お値段と味わいのバランスが秀逸)

◆◆◆

アボカドの前世はバターだったんじゃないかと思い始めた神奈川建一です。こってりしすぎだろ。

さあ、2回連続で山形酒を紹介しちゃいますよ!「楯野川(たてのかわ) 純米大吟醸 清流 R3BY」であります。

楯野川は以前に光明をレビューしていますね。あちらは22万円という最高級品でしたが、こちらは正反対の一番廉価な商品でして4合瓶で1705円。その価格差は130倍です!ここまで極端なレビューはそうそうないですね(笑)。


楯野川は全量純米大吟醸の酒蔵なので、最安値とはいえこの清流も純米大吟醸です。山形県の酒米・出羽燦々を50%に磨いたガチの純大なのです。この価格で飲めるなんてありがたいですね~。

ところで全量・純米大吟醸というと山口県の獺祭を思い出しますが、皆さんはこの2蔵にどのようなイメージを持ってますか?僕は楯野川はエレガント、獺祭はパワフルという印象ですね。東のお酒、西のお酒の個性が出てるなぁと感じています。

さてスペックを見てみましょう。楯野川はHPで情報をばっちり公開してくれています。ありがたい~。

アルコール度 14%
精米歩合 50%
日本酒度 -2
酸度 1.4
アミノ酸度 1.0
純米、吟醸づくりあり、火入れあり、加水あり

一番目を引くのはアルコール度14%ですね。15%を切っているのが重要です。お酒全体が軽く感じるはずですね。日本酒度は-2ですが低すぎるわけでもなく、さらにアルコールの甘さが少ないので、甘口ではあってもさっぱりしてそうです。

◆エレガントながらバランスのよい甘口

しっかり冷やしてグラスにそそぎましょう。うう~ん、透明感をめちゃくちゃ感じるきれいな色です!ほぼ無色透明ですね。大吟醸はこうじゃなくっちゃね。糖分が多いお酒に火入れをしているので、うっすら色がついていてもおかしくないのですが、おそらく多めの加水のおかげでほぼ見えなくなっているのでしょう。

香りを確認。いや~華やか~~~♪山形の大吟醸らしい清らかな印象を感じるフルーティなにおいです。個人的には熟れたピーチでしょうか。ただ香り全体の強さはそこまででないです。このバランスだと食事を選ばなそうですね。

飲みます。

柔らか~~くふんわりした甘味、ほんのりと感じる酸味渋味が料理を受け止めてくれる万能酒!

軽~~い味わい!物足りなさはなく、それでいて食中でも見事に寄り添う。こりゃ~かなり万能じゃない!?

甘いけど軽やかでしつこくない味わいです。食事と飲む温度によっては甘さを感じないぐらい。でも単独でじっくり飲むとお酒の糖分をしっかり楽しめる。純米大吟醸らしいよくできたバランスです。

また後味に酸味と渋味をしっかり感じるんです。これは楯野川は昔からそうですね。こういった味があることできれいすぎない味わいになっているので、多くの食事に対して違和感なく合わせられます。お見事!

僕は食事の最初に好んで飲みましたので、合わせた料理はだし巻き卵やアボカドのキムチ和えでした。純米大吟醸だからって淡くて繊細な料理じゃなくて、こってりした印象の料理でも大丈夫ですね。キムチの旨味にもしっかり混ざり合いました。

◆やはり定番商品は強い

この清流は楯野川の入門商品として長年販売されてきたものですが、主力商品でもあります。やはり多くの人の舌で審査されてきたお酒は強いですねぇ。僕がローエンド商品が好きな理由の1つです。

この清流はやや低アルコールなのも含めていろんな人に飲んでほしい1本ですね。日本酒飲まない人への気軽なプレゼントとしてもよさそう(獺祭ほど有名じゃないのも贈り物向き)。もっと皆に広がってほしいです。

「楯野川 純米大吟醸 清流 R3BY」、東日本の定番純米大吟醸です。気軽に自宅で楽しんでみてください!

写真 2022-08-15 21 16 30