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味の傾向:
秋田限定のPB商品。アルコール感の強いつくりながら丁寧な仕事が感じられる。香りはほんのりとバナナ、甘味控えめだけどドライすぎず後味はシャープな苦味で切れる。常備酒に向いた酒質だ。

合わせた料理:焼きししゃも、サラダせんべい

僕の評価:70点/100点(丁寧につくられた普通酒)

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地元の愛用している八百屋がいつのまにか中国資本に切り替わって、火鍋の素とかを置きはじめたのに驚きを隠せない神奈川建一です。あ、中華料理好きです。

今日は珍しいお酒をご紹介します!「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ) 七蔵」です。この前行った夏の秋田旅行で購入したお酒になります~。もちろん秋田酒です。

雪の茅舎は秋田を代表する銘柄ですが、そこがつくるPB(プライベートブランド)らしいんですよね。秋田県内のいくつかの酒屋さんで販売されているらしい?七蔵という名前もちゃんといわれがあるらしいのですが、説明忘れちゃいました(てへ)。

しかし、名高い特別銘柄である「美酒の設計」のロゴが入っていたりと謎が謎を呼ぶラベルです。地元のごく一部の関係者しかわからないのではないでしょうか(笑)。
※追信:秋田の友達によると、昔は美酒の設計は秋田美酒倶楽部という酒屋さんグループでしか買えなかったそうで、そのグループが7店舗で始まったことを記念したお酒なので美酒の設計と秋田美酒倶楽部の名前がラベルにあるのだそうです。

スペックを確認しましょう。

アルコール度 15%
精米歩合 不明
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
アル添、吟醸づくりあり、加水不明、火入れ

精米歩合が不明なのでこれは普通酒ですね(純米酒とか大吟醸とか名乗らないお酒のこと)。一升瓶で2000円ぐらいだったので、まさに日常に飲まれるお酒なのでしょう。飲み屋さんの需要とか高そうです。値段から推測して醸造アルコールはかなり添加していると思われます。

◆ザ・普通酒!でも技が光るぜ

冷やしてグラスにそそぎましょう。う~~ん、むちゃくちゃ透明度高いです。キラキラした印象はないですねぇ。活性炭ろ過・・・?アル添がすごく多い?ちょっと判断つきません。

香りを確認します。あ、ほんのりフルーティですね。強くはないですが心地よい印象でお酒のキャラクターをつくっています。そしてやはりアルコール感が強めですね。アル添のお酒特有のにおいです。お酒の色が透明なのはアル添のほうが原因でしょうね。

飲みましょう。

甘味が控えめだけどしっかりあるという見事なバランス。後味はアルコール感ある苦味でスパッと切れる気持ちよさ!

アル添日常酒のよさがめっちゃ入っているお酒です!地元向けにつくっている理由がよくわかりますね~。

上に書いたように甘いんだけど甘くないんですよ。これは面白い。糖分の甘味に加えてアルコールの甘味がしっかり出ているのが原因かと思います。甘いのにドライな印象すらある。

そしてアル添ならではの苦味によるキレが特徴です。これは苦手ない人もいるとは思いますが、慣れると実に心地いいんですね。そして雪の茅舎らしく違和感は最小限にとどめられています。コストの範囲内でいい仕事してますね~。

これはもう昔ながらのベタなおつまみがいいでしょう!炙った干しスルメとかチータラとか。僕は焼きししゃも+マヨネーズ+一味唐辛子が最高でしたね!ただ、親子丼みたいな砂糖みりんをいかした甘い料理では苦味が出すぎる印象でした。

◆昔ながらの地酒もいい

とてもコスパのいい普通酒でした~。本来地酒ってこういうお酒のことなんでしょうね。最新の味を追求するクラフト系の日本酒も好きですが、こういうお酒も忘れないでいたいところです。

あと、アル添の普通酒によくあるのですが、とても劣化しにくくゆっくり飲むことができます。お酒が醸造アルコールで薄まっているので、相対的に香りの変化が少ないのですね。普通酒ではそのあたりも注目してみてください。

「雪の茅舎 七蔵」、古きよき地酒を忍ばせる良酒でした。秋田で探してみてくださいね。