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味の傾向:あの黒龍がつくる超甘口の日本酒。香りは豊かな甘いメロンを思わせるフルーティ香でアルコール度12%のお酒とは思えない。味わいは強い甘口だがなぜかサラリとしていてクドさが全然ない。不思議なおいしさだ。

合わせた料理:和風ステーキ、あん肝ポン酢

僕の評価:85点/100点(この味で保存性もいいのだからすごい)

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ワールドカップの出場国を聞いて、現地のお酒しかイメージできないスポーツセンスゼロの酒クズ・神奈川建一です。スペインはテンプラニーリョだよね。

さあ、当ブログ定番の銘柄をご紹介。「黒龍(こくりゅう) 貴醸酒 R3BY」です。4年前に発売された商品で、今季で4造り目ですね。

発売当初のレビューはこちら。

発売された時は生産量が少なくて150mlボトルのみの展開でしたが、最近は供給も安定してきて4合瓶でも通年で見かけるようになりました。すっかり黒龍の定番商品となったようですね。

超甘口かつ低アルコール日本酒というお酒で、辛口で淡い味わいのイメージを持つ黒龍としては異例の商品です。しかし、そんな味わいでも黒龍らしいバランスのよさ、食事との合わせやすさが表現された傑作酒なのですよ~。

スペックを確認しましょう。

アルコール度 12%
精米歩合 55%
日本酒度 -30
酸度 不明
アミノ酸度 不明
純米、吟醸づくりあり、火入れ、原酒?、貴醸酒

貴醸酒とはお酒を発行させる際に加える水の代わりにお酒を使う仕込み方ですが、黒龍の貴醸酒は黒龍の純吟を使っているそうです。な、なんて贅沢!あと注目すべきはアルコール度ですね。12%ととても低いです。飲みやすさと甘さのバランスがどうなっているか要注目ですよぉ。

◆炭酸割りもたまらない!

さてしっかり冷やしてグラスにそそぎましょう。む、そこそこイエローのトーンがお酒についていますねぇ。糖分がたっぷり含まれていて、火入れで変色した結果です。この色合いなら原酒か原酒に近い濃度なのでしょう。

香りを確認します。むお!?派手なメロンの香り!すっごい、アルコール度12%なのにこんなに香るんだ!(アルコール度が下がると香りはたちにくくなります)お酒の糖分のにおいが混ざっているのでリッチな印象のフルーティタイプですね。これはぜひともワイングラスで楽しみたいです。

飲みます。

めちゃくちゃ甘味たっぷりなのに後味さっぱりしている!?なんなんだこの矛盾した味わいは!!

す、すげー!こんなお酒つくれるんだ!これはぜひ皆さんにも楽しんでいただきたいッ。

やはり貴醸酒らしい糖分の多い極甘口です。ほんのり酸味があるので、オレンジピールをまぶしたチョコレートムースみたい。

後味で甘さがサッと消えていくので口の中がくどくなりません。普通の貴醸酒だとだいたい後味も濃いので飲み続けるのに向かないのですが、黒龍はサクサク飲めちゃう。

それでいて飲みごたえもあるので物足りなさとは無縁のお酒です。さすが黒龍、すばらしい味の設計ですね。

公式でおすすめされているペアリングがあん肝ポン酢なのですが、最高の味わいが楽しめるので超イイです。あん肝のコクとポン酢の塩味がお酒にピタッとハマって何とも言えない体験ができます。また炭酸割りもおすすめ!1:1で割るとごくごく飲める甘口スパークリング日本酒のできあがりです。これで和風ステーキ食べたら最高の食事に化けましたよ。超おすすめです。

◆驚きの耐久力にも注目

この貴醸酒は9月に開栓して飲みきったのは11月末だったのですが、ぜんぜん劣化していなくてまたまた驚きました。黒龍の火入れのお酒はもともと耐久力がありますが、これだけ甘口のお酒でも変わらないとは!甘口のお酒はメイラード反応が起こりやすく老ね香が出やすいものなのですがね~。信じられないっす。

お酒はもちろんおいしいのが第一ですが、広く飲まれるためには扱いやすさ、保存性などもとても重要です。やはり北陸の王者・黒龍は商品としてのバランスも超一流なのがわかりますね。

「黒龍 貴醸酒 R3BY」、食前、食後ならず食中もいけちゃう驚異のデザート酒です。ぜひ好きなように飲んでみてください。

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