味の傾向:新政が秋田限定で販売している高級酒。開栓直後は香り少ない、味わい酸っぱいだけと散々。しかし、その後適温で保管して熟成すると味わいが花開き、柔らかな甘味酸味に強い渋味がまるで梨を思わせる味わいに。飲み手が試されるお酒だ。
合わせた料理:納豆味噌和え
僕の評価:80点/100点(十分にポテンシャルを活かせたか自信ないです)
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輸入チーズにハマりはじめたとたんに円安で価格が激上がりして涙を流している神奈川建一です。
さあ、今回は皆さん大好き秋田の新政です!「新政(あらまさ) 佐藤卯兵衛 生酛純米 R1BY」であります~。
以前に秋田限定の新政であるグリーンラベルをレビューしましたが、この佐藤卯兵衛(新政の蔵元が代々世襲する名前。読み方はさとううへい、です)も秋田限定のお酒です。あちらと違い、こちらは大吟醸クラスの高級酒になりますね。
これも謎が多いお酒なのですが(またかよ!)、ポイントとしてはお酒のつくりも味わいも毎年、もしくはロットごとに大きく異るということです。なので今回のレビューは僕が飲んだお酒の感想であることを念頭においていただけると助かります。
秋田にしか売ってなくて、公式の情報はネットになくて、味わいは毎年違うという・・・どんだけ新政レベルを要求されるのでしょうか。まさに熟練のアラマサーのみ手を出すのを許されるお酒ですね。
さてスペックを見てみましょう。
アルコール度 14%(原酒)
精米歩合 40%
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
製造年月日 2020年3月
出荷年月日 2021年4月
純米、吟醸づくりあり、火入れ、原酒、木桶仕込み
アルコール度は14%で加水調整なしの原酒ですね。最近の新政としてはちょっと高めといったところ。精米歩合は40%ですから、繊細な味わいが期待できます。製造と出荷の年月日を見ると、蔵元で1年は熟成されているようですね。
◆開栓直後は微妙 しかし時間が経つと・・・?
友達に譲ってもらって2021年11月に開栓したのですが、その時の味わいは「甘味ない!酸っぱい!香りない!」と散々でした(笑)。もう目の前が真っ暗になるぐらいに!
別の友だちから新政の高級酒にはたまにある傾向だから、熟成させてみてとのアドバイスをもらい、ワインセラー(14℃)で10ヶ月ほど寝かせてみました。冷蔵ではなく涼しい常温で熟成させ、味のバランスを変化させるのが狙いですね。手強いお酒だ・・・。
再度の開栓は2022年の9月。おお~、よくなっている!驚きです。香りは上品なフルーティ香でさわやか、お酒に色もついてなく照りがきれいです。まさに大吟醸の輝きですなぁ。
味わいもめちゃくちゃいい!開栓した時よりも甘味が出ていて、酸味とのバランスがよくなりました。研ぎ澄まされた味わいになり、いい酒飲んでいる感がすごくします。
あと渋味が強いですね。でも悪い印象ではなく、まるで梨やラ・フランスのような果物のイメージにつながるのがたまらないです。この渋みは木桶仕込みのせいでしょうか?木桶は詳しくないのでちょっと断言できませんね~。面白いなぁ。
新政らしくお酒をメインにして飲む日本酒なので、あまりチャレンジングな料理には合わせませんでした。納豆味噌和えが最高でしたが、きっとナチュラルチーズなどもばっちりでしょう。濃すぎない塩味が効いた肴がおすすめです。
◆新政好きならチャレンジしてみよう
どんなお酒でも高級酒は人を選びますが、この佐藤卯兵衛はまさにそういうタイプの日本酒でしたね。難易度たけぇ!さらに僕が飲んだロットはこういうタイプだっただけで、別の年度の別のロットはまったく違う可能性があります。
まさに初心者お断りの1本です。しかし、新政を愛するあなたならチャレンジする価値があるでしょう。他の新政で経験を積んだら、ぜひ挑んでほしい商品ですね。
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