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こんにちは~、神奈川建一です。

皆さんは安い日本酒は悪酔いするから苦手、って意見聞いたことありませんか?混ぜ物が入っている日本酒はやっぱりだめだよね~みたいな話、SNSでも見かける気がします。

それを聞くと僕は「そりゃーあんたの飲み方が悪いだけで、安酒の代表・白鶴まるなんてすごいお酒なんだぞ!」と心のなかでつぶやいて、1人でハンカチくわえてグギギと悔しがったりします。しかし、最近は安いお酒が酔いやすいというのは事実なんじゃないかなと考えています。その理由は日本酒の安酒はすごく飲みやすいからです。

安い日本酒の多くは醸造アルコールを添加したタイプ、通称アル添のお酒なのですが(お米だけでつくった日本酒にアルコールを加えて水増しするので製造コストがすごく安くなる)、このタイプのお酒はめちゃくちゃ飲みやすくなるのです。

ちょっと解説してみますね。キーワードは「エキス分」です。

日本酒はアルコール発酵が終わった後にしぼって酒粕と分離します。これが原酒と呼ばれるお酒で、エキス分は100%となります。濃厚でアルコール度が高いのが特徴です。

日本酒の原酒はおいしさがギュッと詰まっていて好きな方多いと思うのですが(僕も好き!)、じっくり味わう方が似合っていると思いませんか?ガバガバ飲むのは違うような・・・というかそんな飲み方はできない。そう、エキス分が高いお酒は飲みづらいのです。

対して安酒である醸造アルコールを添加したお酒は、しぼったエキス分100%のお酒に醸造アルコール(度数は約30%。つまり残りの70%は水)をドバっと加えて、さらにその後に水をドバッと加えてアルコール度数を下げます。アル添のお酒はエキス分がすごく低いのです(70%以下、60%ぐらいの場合もありうる)。

エキス分解説図


つまり安酒というのはとてもエキス分の低い、薄まったお酒である確率が高いのです。そして薄まったお酒はスイスイ飲めちゃうんですね~。飲みやすいお酒は飲み過ぎを招く、これが安酒を飲むと悪酔いするメカニズムです。

醸造アルコール添加の日本酒は飲みやすさを追求している物が多いです(むろんコスト削減も大きな目的ですが)。なにか悪いものが入っているから悪酔いするのではなくて、その飲みやすいという特性ゆえに悪酔いするのですね。

なので皆さんも、今後醸造アルコール添加のお酒(特にアルコール度数が低いタイプ)に出会ったら「これは飲みすぎるかも!」と考えて、いつもより飲む水の量を増やしてみてくださいね。日本酒に水のチェイサーはあなたの肝臓を守る!です。そして安酒への偏見をなくしてくれると嬉しいです。






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神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

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