写真 2022-12-08 21 50 43

 こんにちは~、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

 最近の日本酒はほんと香り高いですよね!大手酒蔵もフルーティなタイプを量販店向きに出してきましたし、地酒も強い果実の香りがあるお酒だけではなくバリエーション豊かなタイプを販売するようになってきました。ワイングラスで日本酒を飲むのが流行るわけです。

 ただ、日本酒の味わいは8割がた香りが決めているのだと言ったらどう感じるでしょうか?いやいや、神奈川さん。いくらなんでも盛りすぎでしょ。香りが重要なのはわかるけど、せいぜい3割、よくて4割ぐらいじゃないですか?

 いえ、実は大マジなのです。日本酒に限らず、僕らは飲食物の印象の大半を香りから感じているのです。特にお酒を含む飲料は香りの影響がすごく高い。なので「香りが8割」はぜんぜん大げさではないのです。

 皆さんも風邪を引いた時、または鼻炎などで鼻が詰まった時に食事をしてもあまりおいしいと感じなかった経験があるのではないでしょうか。そんな時に日本酒飲むとまったく楽しくないことも!これらは香りが感じられない状態で飲食しているのが原因なのです。

 では、どうしてそんなに香りが重要なのか。それは僕たちが口の中でも香りを感じているからなのです。

 人間は香りを感じる方法を2つ持っています。1つはもちろん鼻でかぐ方法ですね。日本酒を飲む時にワイングラスを使うのは鼻で香りを感じやすくするためです。

 2つ目が口の中で感じる方法です。実は鼻の奥にある嗅覚センサーに口の中からつながる通路があるのですね。僕らはほとんど意識していませんが、鼻でかぐのと同様に口の中でも香りをかいでいるのです。

オルソとレトロネーザル図


 そしてここが一番のポイントなのですが、口の中で感じた香りと味の情報を受け取った僕らの脳は、この2つを区別することがほとんどできないのです!ええー!?(※1)

 おいしい日本酒を飲んだ時、僕らはおいしい「味」の日本酒だなぁとうっとりしますが、その味わいは無意識のうちに合成された香りと味の混合物の印象なのですね。だから鼻が詰まった時に飲む日本酒は魅力が半減するのです。

 どうでしょう、日本酒の香りの重要性がちょっとは伝わりましたでしょうか。日本酒は香りが8割です。なのでそのお酒がどういう香りを持っているかがお酒のキャラクターを決定するのです。次に日本酒を飲む時には、ぜひ香りにめちゃくちゃ注目してみてください。


<参考>

※1「美味しさの脳科学 においが味わいを決めている」ゴードン・M・シェファード著 第13章 味覚と風味(P166)







おすすめ日本酒店・サケストリートです!
sakest

神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

LINEオープンチャット開設しました。お気軽にどうぞ~。
日本酒情報交換会