これを書いている季節は1月の真冬なのですが、日本酒の熱燗がおいしすぎてたまりません!体が酒の温度とアルコールでじんわり温まってきて、その上湯豆腐などを一緒に食べれば天国です。最高ですな~。
しかし、このおいしいって感覚、考えてみればよくわからないと思いませんか?世の中おいしものばかりの時代なのですから、何食べたっておいしいはずなのに他より良いと感じるものがある。特にお酒と料理の組み合わせ(ペアリングと呼ばれたりします)はその差が激しいと感じます。
そこでちょっと頑張って調べてみました!
いろいろ調べた結果、おいしいと感じるお酒と料理のパターンはいくつもあるのですが、一番わかりやすいものとして「同じような味わいのお酒と料理を合わせるとおいしい」というのが見つかりました~(※1)。
例えば熱燗に湯豆腐ですが、この熱燗が酸味(主に乳酸)が強いものだった場合、普通の麺つゆではなくポン酢(酢酸)で味付けするとすごく合います。これは酸味が同じぐらい強いもの同士を合わせているのでおいしいのですね。
また同じ酸味でもその種類を合わせるとよりおいしくなったりします。例えば最近のモダンな印象の日本酒はワインのような酸味があります(新政や仙禽など)。これはフルーツ系の酸味であるリンゴ酸なので同じ酸を持つもの、つまり果物がぴったり合います。新政にりんごや桃とか最高なんです。
そもそも日本酒自体が和食全般に完璧に合うんですよね~。なぜなら日本酒は甘くて旨くて、和食も甘くて旨いから!和食の調味料って醤油、砂糖、味醂、酒、味噌で見事に甘味・旨味(そして塩味)でしょ。これで合わないはずないんですよ。昭和の時代に現役だった日本酒のプロの方は、当時はペアリングなんてぜんぜん話題にならなかったとおっしゃっています(※2)。さもありなんですわ。
これってお酒でよく言われる「その酒が生まれたところの料理に合わせろ」という格言を裏付けますよね。何百年もその土地で受け入れられてきたお酒なので必ず合うんです。そしてその場合は似たもの同士の組み合わせのパターンが多いですね。最近僕は紹興酒を飲みながら中華料理を食べるのですが、紹興酒ってけっこう刺激的なんです。酸味が日本酒よりずっと激しいんですね。これが同じく刺激的な中華にぴったり合うんですよ。
いかがでしょうか、けっこう皆さんも思い当たる経験あるのではないでしょうか。現代の日本酒は昔ながらのタイプに加えてさまざまな個性的な味わいが増えてきています。どうやったら食事にフィットするかわからないということもありますよね。その場合はぜひ「同じもの同士ならだいたい合う」というこの法則を思い出してみると、楽しい食事になると思いますよ。
ご参考にしてみてください~。
【参考】
※1「『うまい!』の科学 データでわかるおいしさの真実」 高橋貴洋 著 P175
※2「日本酒の科学 水・米・麹の伝統の技」 和田美代子 著 高橋俊成 監修 P247
おすすめ日本酒店・サケストリートです!
神奈川建一()
LINEオープンチャット開設しました。お気軽にどうぞ~。
「日本酒情報交換会」
LINEオープンチャット開設しました。お気軽にどうぞ~。
「日本酒情報交換会」
コメント