こんにちは~、神奈川建一です。
お酒というのは嗜好品でして、個人個人が好きなものを飲めばいいわけです。人の好みは千差万別、いろいろなお酒にファンがついているのも納得ですよね。
でも、一部の銘柄に人気が集中するのもまた事実だったりします。さまざまな酒ジャンルで似たような現象が見られて、日本酒でも同じようなことが起こっていますよね。そういったお酒はプレミア酒、略してプレ酒なんて呼ばれたりします。十四代、新政、而今あたりが有名なプレ酒でしょうか。
こういったお酒はオークションサイトなどで高値で売れてしまうため転売する人が発生してしまう、そして蔵や酒販店がその対策に追われるいう現状があります。日本酒ファンである僕ら消費者からするといろいろとストレスを感じる状況で、よくSNSでもなどで議論の的になっていますね。
ただ、そもそもなんでプレミア酒が高額で転売できちゃうのか、他の日本酒よりなぜ高い値段がつくのか?についてはあまり深く考えられていない気がします。もちろん人気に対して生産量が少ないという点もありますが、それだけであのような高額転売が起こるとは僕には思えないのですね。
酒業界の方がプレミア酒じゃなくてもおいしい日本酒はたくさんある、それをちゃんと知ってほしいといった趣向の話をしていたりするのを見かけます。僕もそう思いますね。そこそこプレミア酒を飲んできてすごくおいしいと感じましたが、同じぐらいおいしいお酒を挙げることは難しくないです。
ではなぜプレミア酒にあんな価値が生まれるのか。それはお酒の味以外の部分に理由があると思うのです。具体的には銘柄・ブランドが持つストーリーに価値があると僕は考えています。それがそのお酒を飲むことへのあこがれといったニーズをつくっているのです。
ストーリーというのはその銘柄が今まで経験してきた歴史とこれから目指すべき理想のことですね。挑戦、危機、挫折、成長、称賛のような人の心にうったえるものです。お酒の味みたいに他の商品と交換可能ではない、その銘柄だけのオリジナルの価値です。だから熱心なファンは他の酒に目もくれずその銘柄だけを買うのです。
わかりにくいかと思いますので、野球球団で例えてみようと思います。
野球好きな方はお気に入りの球団があると思いますが、試合に強いからという理由で応援している人はあまりいないんじゃないかと感じます。その球団を好きになったきっかけはさまざまでしょうけど、今も応援し続けているのは巨人だから、阪神だから、広島だからといった替えのきかない理由ゆえではないでしょうか。
今まで球団チームを応援してきた思い出(=歴史)が素晴らしいから、もう一度勝つところを見たいから現在の野球の実力に関わりなくファンであり続けるのだと思います。試合に強い・弱いというのは野球球団の本当の価値ではないのです。
とても魅力的なストーリー(オリジナルな価値)を持ったプレミア酒は野球球団と同じような価値を持っていて、ファンはそこに魅了されているのだと思います。だからいくらおいしくたって他の銘柄を選んだりしないのです。おいしさだけに価値を感じているわけではないんですね。
他にもおいしいお酒はあるんだからそちらも飲んでほしいという意見は、野球で例えればこっちのチームのほうが強いんだからそっち応援しようよ、と言っているのと似ていると思うのです。こんなことで説得される野球ファンいないですよね?このあたりを理解しないと、いつまでも不毛な議論ばかりになる気がします。
僕も転売はなくなってほしいし、他の日本酒に敬意を払わないプレミア酒好きは嫌いです。でも、そもそもなんでそんなに価値があるのかについては理解されていないと感じます。プレミア酒が持つ本当の価値を考えることから、建設的な議論ができるようになるのではないでしょうか。
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神奈川建一()
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